オランダゆかりの物事典

ナルシスト

アムステルダム国立美術館研究図書館

意味・解説

ナルシストとは、自己中心的で自己陶酔的な性格や自己愛的な態度を持つ人を指す言葉。

自分自身を極端に愛し、自己顕示欲が強く、他人からの称賛や注目を求める人や、優越感を持って見る人、自分の魅力や成功に過度にこだわる人に対して使われる。

オランダとのつながり

「ナルシスト」の語源は、オランダ語の「narcist」が由来とされる。

ナルシスト(オランダ語:narcist)は、ナルシシスト(英語:narcissist)と同義。

ナルシシスト(narcissist)は、「ナルシシズム(narcissism)に影響を受けた人」として使用されます。日本では「ナルシスト」と呼ぶことが多いです。

ナルシシズム(narcissism)は、ドイツの精神科医によって造られた言葉で、ギリシャ神話に登場する「ナルキッソス(Narkissos)」に由来しています。

ナルキッソスの物語の概要

ナルキッソスは非常に美しい若者で、多くの女性と男性が彼に惹かれましたが、彼はその愛情に応えませんでした。他人を愛せない罰として、自分だけを愛するという呪いをかけられてしまいます。

ナルキッソスは、湖の中に美しい青年を見つけます。それが水面に映った自分の姿だとは気付かず、恋に落ちました。そこから離れることができなくなり、やがて衰弱し、水に落ちて溺れてしまいました。

彼が死んだ後、そこに美しい花が咲いたといわれています。この花は、ナルシス(水仙)として知られ、その名前もナルキッソスの物語に由来しています。

「ナルシスト」と「自信家」の違い

ナルシストと自信家は一見似ていますが、他人との関係性などに違いが現れます。

・ナルシスト:自己評価が以上に高く、自己陶酔的な性格を持つ。自分の欲求を優先し、他人からの称賛や注目を求める。自己顕示欲が強く、他人を見下す。

・自信家:自己評価が健全で、能力や価値に自信を持っている。他人を尊重し、良好な関係を築ける。自分の意見や考えを明確に表現できる。

オランダ人は自信家が多いと言われることがあります。オランダは比較的平等な社会で、自己主張や自己表現が重視されます。個人の意見が尊重されるので、オランダ人は自信を持って自分の考えを率直に表現することが多いとされています。

ただし、これは一般的な傾向で、すべての人が自信家なわけではありません。自己評価や自己表現の度合いは、個人差や状況によって異なります。

オランダの国民性や価値観とは