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  ASHIKAGA MUSEUM OF ART

〒326-0814 栃木県足利市通2丁目14-7

TEL.0284-43-3131

開催中の展覧会



瞬く皮膚、死から発光する生

2020年8月25日(火)~11月3日(火・祝)

開館時間:午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
休館日:月曜日(ただし9月21日は開館)、9月23日(水)
観覧料:一般710(560)円、高校・大学生500(400)円、中学生以下無料
( )内は20名以上の団体料金
*5月17日(日)は「国際博物館の日」のため観覧無料となります。
*各種障がい者手帳をご提示の方とその付添者1名は無料となります。
*「あしかがいきいきパスポート」をお持ちの方、および両毛広域都市圏内にお住まいの65歳以上の方は無料です(住所・年齢を証明できるものをご提示ください)
*第3日曜日「家庭の日」(9月20日、10月18日)は、中学生以下のお子さまを同伴のご家族は無料となります。

主催:足利市立美術館
協力:GALLERYエクリュの森、GALLERY SIDE 2、Third Gallery Aya、タカ・イシイギャラリー、PGI、公益財団法人 足利市みどりと文化・スポーツ財


出品作家:石内都、大塚勉、今道子、髙﨑紗弥香、田附勝、中村綾緒、野口里佳、野村恵子

 



 命の輝きはいかにもたらされるのか。その源を探ることは、芸術が普遍的に追い求めてきた主題の一つといえるものです。限りある時の中で輝く命のあり方として表される幾多の色あいや形、光と闇は、日常の中に息づく「生」と「死」を浮かび上がらせます。そして、世界を覆う災禍に見舞われ、従来の死生観が根底から問われている現在にあって、命の様々なあり方を伝える芸術が、より強く求められています。
 現実の姿をあらわにする写真においても、多様な視座や手法をもって、死生観や命の姿が、長い歴史の中で表わされてきました。8名の現代写真家によって開催される本展は、「皮膚」をテーマにそれぞれの眼差しのもと、命に迫ります。
 「皮膚」は、人の存在そのものを包んで成り立たせる役割を担っています。私たちは「皮膚」を通して、他者や光景の中に宿る無数の命と、生涯を通じ呼応し続けています。そうした実感の中で撮られる写真もまた、一枚一枚が「皮膚」のように世界と接し、「死」と「生」をつらぬく命の姿が、瞬く光の中に写し出されるのです。


石内 都(1947- )

 廃屋など、人が暮らした跡が残る場所をモノクロームで撮ることから出発し、人の手や足をクローズアップした作品や、皮膚に残る傷あとを撮った作品を経て、衣服をはじめとする遺品を題材にした作品などを発表してきました。それは、撮影の対象となる人やモノに刻々と残される時間や記憶を私たちに想像させてくれます。出品作品は、自身の祖母や、自身と同じ1947年生まれの女性の皮膚を撮ったもの、皮膚に残る傷あとを撮ったもの、広島の原爆被害者が身に付けていた遺品を撮ったもので構成されます。  
   
石内都《1899 #15》1990 年 © Ishiuchi Miyako 石内都《ひろしま #77 Donor:Abe.H 》2007年
© Ishiuchi Miyako


大塚 勉(1951- )

 自分やモデルの人物の身体を、クローズアップ撮影や、背景および光に工夫を凝らして撮影し、ネガの重ね合わせなども行いながら制作したモノクロームプリントを、さらに、池や沼に長期間印画紙を沈める「沼現像」や、泥とともに写真をホットプレートの高温で煮る「銀塩抽出現像」といった特殊な技法を加えることで、写真自体が一つのモノと化したような作品を発表してきました。
 ここでは、身体は現実には存在し得ない未知の存在になり、人を超えた生命体そのものを表しているともいえます。 

   
大塚勉《Trans-Body》1995年 © Otsuka Tsutomu 大塚勉《Incognito-Ⅲ・水の種子》1989/2020年
© Otsuka Tsutomu


今 道子(1955- )

 魚や食肉、野菜などの食材や、花、昆虫を素材に自ら制作したオブジェを撮影した作品や、それらを下着、帽子、靴などの衣類と組み合わせたり、モデルの人物がまとったものを撮影した作品を、初期からモノクロームにこだわり、近年はカラーも用いて発表してきました。
 命を持つ存在とモノとが一つになって独特なイメージがつくられる作品は、かつて自身の心を捉えたモノたちを記憶の奥底から掘りおこし、あたかもそこに花を添え、あるいは絵具でなぞって装飾するような行為から生まれたものでもあるといえるでしょう。 

   
 今道子《繭少女》2017年 © Kon Michiko 今道子《赤い燕尾服》1994年 © Kon Michiko  


髙﨑紗弥香(1982- )

 日本アルプスや大雪山をはじめとした山岳地帯を、単独行もともないながら踏破し、その行程の中で撮影した風景を作品として発表してきました。山を歩き続ける日々の中で、自分自身しかいない風景に身を置き、周囲の岩や土、草木を視覚で追い、風や気流、湿度を触覚が感じ取ることで得る体感から生まれた作品には、風景の美しさや厳粛さが表されているだけでなく、こうした地に身を置くこととはいかなる意味を持つのかということや、人と自然との関わりとは何かということにも、私たちの思いをおよばせます。

   
 髙﨑紗弥香《呼応する星#13》2019年
© Takasaki Sayaka
 髙﨑紗弥香《呼応する星#14》2019年
© Takasaki Sayaka


田附 勝(1974- )

 東北などのさまざまな地で、数年にもおよぶ人々との交流をもとにして撮影を行い、そこで生きる人の「生」の根源や、それぞれの地の風土や文化にも深く迫るような作品をはじめとして、写真として撮られる対象が、現在の世界の中でいかなる意味を持つのかを問いかけるような作品を発表してきました。
 東北で撮影が行われた作品では、かつての日本では現代よりもはるかに間近にあり、怖れる対象であるだけではなく、真に崇高な敬いの対象でもあった「死」という存在が、撮られた人々の「生」とともに、生々しく表されています。 
 

   
 田附勝《鹿撃たれる 岩手県釡石市2009年11月》2009年 © Tatsuki Masaru ,Courtesy of the artist and GALLERY SIDE2 田附勝《東電 原発トラブル隠し 2002年(平成14 年)9月14日 福島民報 2018年3月15日 福島県南相馬市》2018年 © Tatsuki Masaru ,Courtesy of the artist and GALLERY SIDE2 


中村綾緒(1976- )

 闇を背景にした水の中の身体を水流や無数の泡とともに撮った作品や、写真を闇の中にいる人々にプロジェクターで投影したものをさらに撮影した作品などを発表した後、自身の子が生まれてから現在にいたるまで、成長していく子どもの姿や、移りゆく日々の中の光景などを撮った作品を制作しています。作品の中で光につつまれ、時には影となって表された子どもの身体は、この光景や、ひいては私たちをつつみ込む世界の中に、幼き彼がたしかに存在するという、生の証を感じ取らせてくれます。 

   
  中村綾緒《光の中を進め 鳥が羽ばたくように 星が瞬くときも #11》2017年 © Nakamura Ayao 中村綾緒《光の中を進め 鳥が羽ばたくように 星が瞬くときも #14》2017年 © Nakamura Ayao  


野口里佳(1971-  )

 独自の構図や色彩、機材の選択、撮影の方法などを模索し、自分が今ここにいるという認識から生まれるまなざしで世界の捉え方を探求する作品を発表してきました。
 《きゅうり》、《鮎川の道》では、ハレーションを伴って表される、画面全体を包むやわらかな光が、撮影の場で彼女が感じ取ったさまざまな交感を伝えてきます。こうして、世界と作者の感応が一枚一枚の写真にこめられた向かい合うことで、世界の中に生きる私たち自身の感覚も新たに切りひらかれていくのです。

   
  野口里佳《きゅうり 8月21日》2017年
© Noguchi Rika ,Courtesy of Taka Ishii Gallery
野口里佳《鮎川の道 #1》2018年
© Noguchi Rika ,Courtesy Taka Ishii Gallery ,Commissioned by Reborn-Art Festival 2019 

 
野村恵子

 写真に撮られた風景や人物がまとう温度や湿度、気配などが、色彩やコントラストなどを通して濃厚に伝わってくるような作品を発表しています。これらは、自身が暮らす東京や、血縁のある沖縄をはじめとして、撮影が行われた土地やそこで生きる人々と深く交流する中で、撮る対象に自身の五感や身体、記憶や重ね合わせ、そこから感応したことを写真として表現したものであるといえます。そして、このような過程を経て撮られた写真の一枚一枚は、命へのまなざしを私たちに伝えてくれます。 

   
野村恵子《SKIN DIVE》2020年 © Nomura Keiko    野村恵子《SKIN DIVE》2020年 © Nomura Keiko



→作品リスト


 担当学芸員が本展図録に掲載した展覧会の解説文を以下でご覧いただけます。長文ですが、展覧会の趣旨や内容、各作家の活動について詳しく知っていただくことができます
→担当学芸員による解説文

【関連プログラム】
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、中止および内容の変更をさせていただく場合があります。どうぞご了承ください。

■講演会とギャラリートーク「日本の現代写真をめぐって
10月3日(土)14時〜16時 
出演:飯沢耕太郎(写真評論家)
多目的ホールおよび展示室 
定員:30名 要事前予約
参加費:無料(高校生以上は要当日観覧券)


■トークイベント「発光する命、皮膚としての写真」
出演:岸田将幸(詩人)、篠原誠司(本展担当学芸委員)、鶴岡真弓(多摩美術大学芸術人類学研究所所長/多摩美術大学美術館館長※リモート出演)
10月24日(土) 14時〜16時 
多目的ホール
定員:30名 要事前予約
参加費:無料

写真ワークショップ「足利の古い街を歩く」 終了しました
9月19日(土)10時〜16時(途中一時間休憩)
*午前野外で撮影、午後から多目的ホールで学芸員が講評
講師:当館学芸員
定員:12名
対象:中校生以上(保護者同伴の場合は小学生の参加可)
持ち物:デジタルカメラ

※上記に参加ご希望の方は電話(0284-43-3131)でお申込みください。定員になり次第締め切らせていただきます。
※展覧会観覧の場合は観覧券(高校生以上)が必要となります。


■学芸員によるギャラリートーク
9月5日(土)、11月1日(日)、各日午14時〜15時
展示室にて行います。予約不要です。
開始時刻に美術館受付にお集まりください。
※参加ご希望の方は当日午後2時に美術館入口受付までお集まりください。
※参加は無料ですが、観覧券(高校生以上)が必要です。

■当館学芸員による鑑賞ワークショップ
9月20日(日)、10月18日(日)、各日午14時〜15時
展示室にて行います。予約不要です。
開始時刻に美術館受付にお集まりください。
※ 参加ご希望の方は当日午後2時に美術館入口受付までお集まりください。
※ 参加は無料ですが、観覧券(高校生以上)が必要です。
対象:小学生~一般
定員:15名


以下のページで展示室の画像をご覧いただけます。
→展示画像のページ


展示室2全景


■来館者のみなさまへのお願い
足利市立美術館では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を予防するため、ご来館のみなさまに以下のお願いをしております。
・マスクの着用(マスクをお持ちでない方は、ハンカチやティッシュなどで口をしっかり覆う「咳エチケット」をお願いしております)
・来館者記録用紙への記入(当館で感染が確認された場合に備えるものです)
・手指の消毒
・対人距離の確保
・館内の環境保持のため入場制限等をさせていただく場合があります。
・発熱や体調不良等の風邪症状があるお客様は、入館をご遠慮願います。

■当館での取り組み
・展示室内が過度に混みあわないよう、入場制限等をさせていただく場合があります。
・入口等にアルコール消毒液を設置しておりますのでご利用ください。
・館内スタッフはマスクを着用させていただいております。
・受付にお並びの際に、前の方との間隔を2m程度空けていただくための「足跡シール」を設置しております。
・受付には、飛沫防止パーテーションを設置しております。
・館内で貸し出ししている鉛筆はバインダー等はその都度消毒いたします。
・図書コーナー等、一部お入りいただけないエリアがございます。

なお、今後の状況によっては制限を解除することが見込まれます。今後のことにつきましてはホームページ等でご確認ください。


足利市立美術館

〒326-0814
栃木県足利市通2丁目14-7
TEL.0284-43-3131
FAX.0284-43-3133

更新:2020/8/17





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