火山 久遺作オカリナ曲集
土の詩
故火山 久は、 オカリナのためにオリジナル曲や編曲(日本・世界の民謡・教会音楽・クラシックの名曲)
を数多く残している。ソロはもちろん、あまり適さないといわれていたアンサンブルに於いて、
その土笛の魅力を最大限に引き出し、土のハーモニーを追求した曲は、
演奏者はもちろん聴衆にも深い感動を与えてくれる
故火山 久 プロフィール
1925年スイスに生まれる。ピアニストであった母親の影響を受け、自らもピアニスト
をめざし上野音楽学校(現在の東京芸術大学)に学ぶが、東京空襲の際“九死に一生”
の目に遭い、命はとりとめたものの、右手小指の自由を失い、足にケガを負ったため
チェロに転向した。チェロ奏者として活躍する一方、作曲や声楽を勉強、
その頃フランスから画家が持ち帰ったオカリナに出会う。
その柔らかく、暖かな音に魅せられたものの、楽器としての音程の悪さ、表現力
の乏しさを残念に思い、自らオカリナの研究・創作に没頭していった。
納得できる音色を出すため、土を求めて日本国内のみならず遠くスカンジナビィアまで
足を伸ばすなど、オカリナへの情熱は限りなかった。
栃木県田沼町飛駒に在住の時、土の音色に惹かれて集まった
宗次郎ら3人の若者に
オカリナの制作と演奏を指導、日本ではおそらく初めてオカリナによる
アンサンブルのコンサートを行い、土の音の美しいハーモニーを
人々の心に焼き付けた
他方、音楽教育にも情熱を傾け、長年足利短期大学(幼児教育)の教授を
務める傍ら、チェロ、合唱(アカペラ)、オカリナ等のアマチュアグループにも多くの
音楽の種をまき、オカリナや合唱のためにオリジナル曲や編曲を数多く残している
その功績を讃えて、
1996年には、足利市市民文化賞を授与されている
また作曲家として、1967年モントリオール万博音楽作品部門で「合唱ミサ曲」が 銀賞、
1996年フィンランド・シベリウス音楽祭では「弦楽ミサ」がグランプリを受賞するなど
教会音楽の作曲家として国際的にも評価されている
1997年5月、私たちの心にあふれるほどの音楽への愛を残して惜しくも急逝する
【曲目】(予定)
●アレンジ作品デュオ=野いちご(フィンランド)
こんぴら船々、トリオ=ふるさとの夢(ドボルザーク)
汽車ポッポ、カルテット=ロマンス(モーツアルト)、七つの子
クインテット=赤トンボ、越後獅子、他
●オリジナル作品 ソロ=炎の踊り、モーツァルティアーデ
デュオ=三度の練習のためのスケルツォ、飛駒の夕べ
トリオ=茜の海、アヴェマリア、他
【発行】ミュージックエイト
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