印材のいろいろ


始めに、一口にハンコの材料と言っても色々あります。
見た目高価そうな物はやはり手間や時間がかかりますので技術料もそれなりに上がります。
そうでない印材でも経験豊富な技術を持って、専門店の彫刻士が彫刻加工します。
単に価格が高い物、安い物という基準でもありません。


象 牙

高貴な気品と色艶、適当な重量感、朱肉のなじみがよくて押し易く、長年に渡り狂いがありませ ん 。
しかし、以前、ワシントン条例によって輸入が出来なくなり同時に国内での手持ち象牙が、
一時高騰しました。その後、ワシントン条例の一部緩和で輸入が認められましたが、
それも輸入量などの規制があります。量的にわずかですが増えて価格も一時よりは安定しました、
でも、やはり高級印材の代表格・象牙は優雅で高価な印材です。


 


水牛類 

南方に生息する水牛の角、弾力に恵まれた強固な実用印材です。
ベージュ色・飴色のオランダ水牛
(オーストラリア産の牛の角/以前はオランダの植民地、タイ国から産出だったため「オランダ水牛」と言われるようになった。)
黒色の黒水牛
(東南アジア、インド、アフリカ産の水牛の角です。中には独特の混合模様をなすものがあります。
加工のしやすさと朱肉ののりやすさが良く、丈夫です。
印材として1番ポピュラーに使われています。

 



つ げ

「木のはん」と言えば殆ど黄楊(つげ)に彫られた印のこと。印材としては一番手軽。ただ難を言えば摩滅が早く、(と言っても使い方によっては15年前後は持ちます)朱肉を吸収するに従って印画のフチが脆く(もろく)なることがあげられます。
伊豆七島鹿児島地方の国産ツゲを使用した物。
タイ国からの輸入印材はシャム柘と言います。
そのほかに、見た目はよく似ていますが「アカネ」と言う印材もあります。
これは、ラオス、タイ、カンボジア、ミャンマーなどから輸入しています。
木材の密度からすると本柘の方が目が細かく、アカネは少し目が粗いといいます。


  



その他 

古くから水晶、メノー、翡翠、虎眼石などの貴石印材があります。
また最近では新しい技術による合成印材もあります。しかし、加工技術が特殊な物もありますので
彫刻料が少し高い物もあります。まだまだ、これから新しい素材の材料が出来ることと思います。