はじめに 

 大学を卒業した後、埼玉県蕨市の中学教師として仕事をさせてもらうことになりました。軽い気持ちもあり選んだこの仕事でしたが、そこで出会った、とある教師のおかげで、軽い気持ちでは出来ない仕事なのだ、ということを学ぶことが出来ました。
 配属先になった第一学年に、公立教師らしからぬ、洒落っ気の効いたいでたちの仕事ができそうな男性教師がいました。熊谷という、この男との出会いが、教師になりたての私の軽い気持ちを180度転換させることになりました。私よりもいくらか年齢は高いのですが、同じ大学、同じ教科、酒好き、そして程々に女好きという、悪条件が重なったこともあったのでしょうか。ことあるごとに生半可な私に対して、教師としてのなんたるかを、昼夜を問わず熱く教えてくれる日々がありました。
 いつしかそれは、語り合いの場にもかわっていき、退勤後の焼き鳥屋(蕨西口ぶぎん通り「大幸」)は、大いに学び、大いに語り、大いに笑い、そして大いに涙する場所にもなりました。約2年の間そういった関係が続いた後、私は現在の勤務校にたどりつくわけですが、教師として仕事をしている最中はもとより、普段の生活をしている中でも、熊谷先生が常に頭の片隅にいるといっても過言ではありません。
 今、私がこういったスタイルで教師をしていられるのは、熊谷先生との出会いがあったからだと思っています。正面きっては言うことが出来ないので、この場をお借りして感謝の意を述べさせていただきます。前勤務校、そして現勤務校の諸先生方にも、あわせて感謝の意を述べさせていただきたいと思います。ありがとうございます。そして今後ともよろしくおねがいいたします。
                                                    平成13年2月1日     斎藤。 


 

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