05 04月20日

真剣に考えてもらってます、本当にね。

   「オレなんて生きている価値なんてないな」当時中学生だった僕に突然
  放たれた言葉。冗談なのか、本気なのかを聞いた。次にそいつの口から
  「死にたい」と言う言葉が出てきた。正直、なんと言い返せばいいのやら、
  僕はまよった。確かにあの時は「死んでいいことあるか?」と、問い返した
  のだと思う。で、今ではこの男、僕に相談したことを覚えていないようだが
  ちゃんと高校に通っているらしい。
   僕も結構いじめの対象になっていた人間だったから、こいつ(上で挙げた
  男)の気持ちは分かってあげたつもりだ。だが、僕は「死にたい」とは思わ
  なかったし、思いたくもなかった。理由を挙げるとすれば「死んでいいことな
  んてない」ということだろう。
   そんな僕がいじめられなくなったのは、中学で2年間担任になったO先生
  のおかげである。どんな先生だったかと言うと、外見は結構怖い人だったが
  生徒一人一人の話し、相談、どんなにささいなことでも真剣に聞いてくれる
  当時の僕にとっては「めずらしい先生」だった。今思えば僕は、その先生に
  いじめの相談はしなかったが、「勇気」をもらったのだと思う。現にこうしてク
  ラスの「会長」なんつーもんをやってるのだ。「たいしたもんじゃねーか」と、
  たまーに思う。おそらくO先生がいなければ、今の自分とは全く違った自分
  がいたに違いないし、ましてはこの桐生第一にいなかったと思う。おそらく
  落ちていたね。(笑)
   僕は「いじめ」には押しつぶされるパターンがあれば、それをはねのける
  パターンの2つがあると思う。あまりこういう書き方はよくないが、学級通信
  で挙げられていたIHくん、彼がやられたいじめと僕がやられたいじめで
  は差がありすぎるが、彼の場合、僕のいう「押しつぶされたパターン」 僕の
  場合が「はねのけるパターン」だったわけだ。彼のところにもO先生のような
  先生がいたら、もしかしたらこんなことにはならなかったと思う。いや、ならな
  かった。
   いじめとは「なんらかのきっかけではねのけられる」と、今でも思っている。
  今回、学級通信で挙げたものは、この先僕らは絶対忘れてはいけないこと
  だ。忘れてしまえば、また同じことのくりかえしだ。
   今、僕らに出来ることは、人の嫌がる行為はせず、また、そういうことをや
  られている人がいたとしたら、それを無視するのではなく、そいつを助けるよ
  うな行動をとることだと思う。
   いい人ぶる気はない。ただ、そういうやつが多くなれば多くなるほど、この
  世の中から「いじめ」がなくなるんじゃないかな?

 読んでいるだけで何故だか強くなってくる文章です。中学時代に「勇気」をもらった
会長は、知ってか知らずか、今は「勇気」を与える側に回っているようです。皆が選
んでくれた2普3の会長は、頼もしい奴だということかな。
 「そういうこと(いじめ)をやられている人がいたとしたら、それを無視するのではな
く、そいつを助ける行動をとる」という一節があります。言葉でいうのは簡単なのだけ
れども、実際に行動をおこすことは、なかなか難しかったりします。けれども一番大
切なことなのです。
 誰かがちょっかいを出されている、いじめか冗談かはっきりと区別がつかない、大し
て仲の良い友達でもないから、見て見ぬふりをしてしまおう・・・関係ない、関係ない、
しーらないっと・・・!
 こういった考えをもったことのある人はいませんか。関係を持たないように知らんふり
をする。冗談じゃない、関係大有りです。関係を持たないようにと思ってとったその行
為が、ちょっかいやいじめを助長させてしまうのです。わかっていながら、関係をもた
ないようにする、実はいじめの加害者になってしまうこともあるのです。
 諸君一人一人の意識のもち方次第です。「オイ、そういうことすんのやめとけよ、嫌
がってんじゃねーか」の一言が言えるか言えないかなのです。勇気をもつことは、もち
ろん悪いことではありません。。勇気の無い人よりも、勇気のある人の方が良いに決
まってます。勇気の無い人間て、魅力的ではないですものね。自分のことを良くしよう
良くしようとするのが普通の人間です。自分に勇気をつける、勇気ある行動は、何ら恥
ずかしいものでもないし、普通の行動だと思いませんか。その結果、自分の周りから
いじめというものが消えていく・・・貴重な意見をどうもありがとうございました。
 我々教師ももっと頑張らなくてはいけませんね。反省。 

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