030 05月22日

あ、そうそう。 

 新聞を読んでいたら、この記事を諸君に紹介したくなりました。東京都に住む60歳代の主婦の方の投書です。5月21日、朝日新聞朝刊より抜粋。

 左半身が不自由でつえ歩行の私は、雨の日の外出には特に気をつけています。老人ホームに入所中の母親を見舞った5月の初旬、東京のJR大塚駅でのことでした。
 右手につえ、左手にぬれた傘をすぼめて持ち、手すりにつかまり階段を下り始めました。私にとっては至難の業です。
 「傘を持ちましょうか」 と後ろから女の子の声がしました。救いの手に、「あー、よかった」 とお願いして、無事に階段を下りると、改札口まで、私の左手をとってくれました。
 タクシー乗り場までお供をしてくれたうえに、「よろしくお願いします」 と、運転手さんに声をかけてくれました。走りだすタクシーに、右手を左右に振って見送ってくれた小学校4年生の女の子の姿に、神々しいとさえ思うほど、深い感銘を受けました。
 私は、一昨年の9月より、都内で避難生活を送る三宅島の島民です。家族の健康状態、家計のやりくり、全く展望のない避難生活に、今年に入ってから、いらだったり、ふてくされ気味になったりしていました。
 雨の日に、素敵な幸運に巡り合えたことで、私は自分の心の有り様を恥じました。
 ありがとう。あなたに学びました。どんな苦難にも、決して失望してはいけないと―――

 なんだかこの投書を読んでいて、ひとりで通院する時の母の姿を想像してしまいました・・・。実は私の母も、この方と同じような状況です。右半身がうまく動かないので、外出する時はつえが欠かせません。
 私の母もそうなのですが、つえをついて歩いている人などは、人とすれ違う時にかすってしまったり、よけられたとしても、急な体勢(バランス)の変化があったりすると、それだけで転んでしまうのです。打ち所が悪ければ大変なことになってしまいます。ですから、外出をする時は本当に至難のワザです。月に何度かひとりで定期通院をしているのですが、ちょっと調子が悪い時には私が同伴して病院まで行きます。
 だからといって、四六時中母に寄り添っているわけにもいかないのが現状です。ですから、この女の子のように他人に親切にしてくれる優しいヒトの話を聞くと、なんだか世の中まだまだ捨てたものではないな、親切ってありがたいな、と素直に思ってしまいます。
 以前、「Positive」 で書いたように、やっぱり諸君にも 「他人を思いやる心」 を忘れないようにしてもらいたいなぁ、と思ってしまいました・・・・・・。
 ちょいとムカシにはこんなこと考えもしなかったのですがね・・・。私も歳を取っちゃったのでしょうか。 


もし相手がおまえを好きだったらどうすんの

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