105 10月21日

おい。 

 教室内で時たま、身体障害者を小馬鹿にするような言葉を耳にすることがあります。そして、その使われ方に問題があります。
 誰かを呼ぶ時に使われているこの言葉、ヒトを小馬鹿にするような感じで使われているようなのですが、こういった言葉を、不用意に口にすること自体が許されません。ふざけるな。
 人を小馬鹿にする時にこの言葉を使うということは、身体に障害を持っている人を小馬鹿にしているということなのでしょうか。

 体に障害を持っている人が、なぜ馬鹿にされなくてはいけないのですか?
 馬鹿にされなくてはいけない原因を作った人が障害を持っているのですか?
 障害のない健常(けんじょう)者の方が障害を持っている人より偉いのですか?
 障害を持っていることはいけないことなのですか?
 障害を持っていることは恥ずかしいことなのですか?

 私の母は、数年前に病気で倒れた後、半身不随になってしまい、障害者手帳を持つことになりました。生まれながらに障害を持っていた親戚は、遊びに行くと満面の笑顔で私を迎えてくれます。健常な人よりも寿命は短くなるそうなのですが、毎日を精一杯生きています。
 これはほんの一例でしかないでしょう。諸君の身の回りにだって、同じような話はいくらでもあると思います。私自身もいつ何が起こって体に障害を持つかわかりませんし、それは諸君だって同じことです。いつか自分自身が障害を持った時にも、そういった言葉を吐き続けるのでしょうか。
 諸君の中に、こんなこともわからないヒトがいるかと思うと、書いているだけで腹が立ってきます。担任であることが恥ずかしくなってきます。わざわざこんなことまで言わなくてはならないのかと思うと、情けなくて涙さえ出てきそうになります。
 これを読んで、今後は二度と不用意な発言や考え方をしないようにしよう、と自覚できたヒトは、まだ救いようがあります。悲しいかな、もし自覚もできないようなヒトがいたら、私は同じ空気すら吸いたくありませんし、救いたくもありません。
 だからというわけではありませんが、この後、以前の 「Positive」 でも予告した通り、赤い羽根共同募金のお願いをさせてもらいます。共同募金で集まったお金の使い道は多種多様なのですが、身体障害者施設、老人ホーム等の福祉関連施設での物品購入が中心になります。
 ヒトを思いやる気持ちを忘れないでください。 


白と黒ばかりじゃなくて、グレーの部分があってもいいいんじゃないか

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