114 11月05日

教育実習。 

 諸君の前には教育実習に来た先生がいらっしゃるはずです。体育館での紹介ではあまりよく見えなかったと思うので、目線をあげて5秒間程じーっと見つめてみましょう。あ、間違って見つめ過ぎないように。何かが芽生えては困りますから・・・。ほら、私なんかと違って若くてイイオトコぢゃーないですか。はい、目線を戻してください。
 今日から2週間、ショートホームルーム、ロングホームルーム、授業、昼休み、終礼、清掃、宿題(?)・・・といった諸君の普段の生活を通じて、大学の講義では学ぶことのできない様々なモノゴトを学びに来ていただきました。だからといって、諸君が特別構える必要はありません。いつものままのいつもの諸君でどどどどー!ばばばばー!と過ごしていてくれればヨイです。
 今を去ること10数年前、こんな私も母校の中学校で教育実習をさせてもらっていました。今でこそ、このまま寝てしまうこともあるくらい馴染(なじ)んだネクタイ姿ですが、当時はさっぱり馴染まないネクタイを締めた、若くてピチピチしたイイオトコの私でした。写真がありますが見せません。
 「うおー、ここがキョーイクの現場かぁー!」 「うおー、俺様が斎藤だぁー!」 「うおー、黒板だぁー!」 「うおー、ふんがー!」 と、鼻息を荒くして臨(のぞ)みました。
 実習期間中は何時間か授業を持たせてくれるので、そのための予習をしなければなりません。放課後に予習をしようとしている私達実習生の所に、とっかえひっかえ先生方がやってきました。
 「おう、お前ら何やってんだ」 「じゅ、授業の予習です」 「行くぞ!」 「は?何か仕事ですか?」 「違うよ、飲み!」 「え”。で、でも明日の授業の予習が・・・」 「いーよ、そんなのやんなくて!」 「そんなの、って・・・」 「ちべたいビールが待ってるぞ!」 「そ、それもそうですね、予習なんかいいや・・・」 「よーくわかっているじゃねーか」 「あはは・・・・・・(汗)」
 ほぼ毎日、こんな具合にいろいろな先生方に飲みに連れられていましたし、宿直警備も兼(か)ねて、そのまま学校に泊まらされた日もありました。まあとにかく、朝の教室から夜の居酒屋(?)まで、しっちゃかめっちゃかでしたが、とにかくフル回転していました。
 そんなこんなで、不真面目そうな実習期間だったと思うかもしれませんが、ほん――――――っとうにたくさんのことを学ぶことができたのは、まぎれも無い事実です。毎日が新発見の連続でしたし、この仕事のヤリガイみたいなモノを自分なりに感じた、実は素敵な2週間でした。
 あ、だからといって私が実習の先生に対して、同じコトをするというワケではありませんのでご安心を。諸君からしてみれば、本当にいつもと大して変わらない2週間かもしれませんが、実習生からしてみれば、いつもとは大違いの2週間です。素敵な2週間を与えてあげようではないですか。
 それにしても、私は良い体験をしたハズなのに、どうしてこんなになっちゃったのでしょ。
 うーん。何故だ?飲んじゃったからか・・・・・・。
 初心忘れるべからず! 


1パーセントって少ないかもしれないけど、100回やれば必ず1回は当たる。もしかしたら、その1回が最初に来るかもしれないんだから

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