147 12月24日

イブだね。 

 今日で今年最後の登校になります。
 さて、授業を通して諸君に新俳句を作ってもらいました。何人かのヒトが、せっかくのクリスマスなのにさみしいんだ、といったテーマで俳句を作っていたので、思い出したことがあります。私なりのさみしいクリスマス話。
 大学生だった頃、塾講師のバイトをしていました。冬休みは冬季講習会で、朝から夕方までみっちりバイトです。そういや当時はワープロなんてモノはほとんど普及していませんでしたから、テキスト作りが大変でした。それはさておき、毎年クリスマスムードが近づくと 「斎藤くーん、今年もお願いしていい?」 と、塾の隣のおもちゃ屋から、臨時のバイト依頼が入ります。塾長の兄が経営していることもあり、断れずに引き受けている私がいました。というか、当時お付き合いしていた彼女は販売業だったので、年末は忙しくて会う暇すら無い、ということが毎年引き受けていた原因でした。
 塾のバイトが終わった後、真っ赤なサンタクロースの衣裳に着替え、真っ白なクチヒゲアゴヒゲを付けて、帽子をかぶります。車一杯におもちゃを積み込んで、何十件もの場所をしるした地図を持って出発です。
 『ピンポーン』 「はーい、どちらさんですか」 「サンタクロースでーす」 「は?」 「あ、おもちゃの○○です」 「あ、あぁあぁ。△△ちゃーん、たいへんよー!サンタさんがきたわよぉ〜!」 『ドタドタドタドタ・・・』 「わぁ、ちゃんたしゃんだ、ちゃんたしゃんだ!」 「は〜い、こんにちは。いい子にしていたか〜い?ほ〜ら、プレゼントだよぉ〜」 「わぁ〜い!」 
 どこの家庭に行ってもほぼ↑このような感じで、子供のゴキゲン取りをしてプレゼントを渡すのです。子供を抱きかかえた写真も何枚か撮られました。時間指定の家もありました。こんな風に24日と25日は、世のため子どものためにシアワセを運んでいた学生斎藤でした。
 今でこそ宅配ピザ屋とかその他モロモロの業者が着てくれるおかげで、サンタクロースの格好はあまり目立たなくなりましたが、当時は目立つったらありゃしません。オマケに私の車は真っ赤なライトバンだったので更に目立つこと間違いなし、信号待ちでは必ずと言ってよいほどユビ指されましたもの。ぷぷっ。
 そんなこんなで12時近くに家に帰りつきます。ひとっ風呂浴びて缶ビールを用意し、部屋の明かりを暗めにします。薄明かりの中、バイト代と一緒にもらったクリスマスケーキを前にして、「はぁ・・・、ふぅ・・・」 と、ため息をついた後、ひとりケーキにむさぼりつくのです。
 それでも妙な充実感があったのを覚えています。サンタの素質アリな私。
 先日、横浜方面に行く機会があったので、懐かしさもあり、その塾とおもちゃ屋の前を通りました。時代の流れのせいでしょうか、残念なことにおもちゃ屋は無くなっていました。私のやっていたバイトを継承(けいしょう)しているヒトはいないようです。なんだかさみしいねい。
 あ、やっぱりさみしいクリスマスでした。
 1月は8日(水)から登校開始!体育着を忘れずに!
 「冬ポジ」 は多分発行しません。
 よいお年を。 


こころおきなく気がねなく、後先考えないでいまを楽しむ

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