148 01月08日

くりちゃん。 

 中学生の頃から、大学生までは、紅白歌合戦が終わる時間に、友達と連れ立って近所の神社で初詣をすることが恒例行事になっていました。仕事の都合で私がこちらに住むようになってからは、足利で一人暮らしを始めた私のウチに遠路はるばる集まって、年末年始の数日間呑み続けることが恒例行事になってしまいました。ここ数年はそこまでの無茶はできなくなってしまったので、一晩我が家の和室で宴会をするのが恒例行事になっています。
 その恒例行事のハナシ。
 大学の後輩にくりちゃんというヒトがいます。元は教員志望で、私なんかが足元にも及ばないくらい才能がある(教員採用試験の後にお声がかかる)のに、渋谷の街頭でサックス吹いて酔っ払いからチップもらったり、モンゴルパブでイヨマンテの夜を歌って拍手喝采(かっさい)もらったり、カラオケ店の厨房やったり、旅館の客室で放尿しちゃったり、モーターショーに出品する改造バイク作ったり、十割蕎麦打ったり、漁協に内緒で投網(とあみ)打ったり、ノーマルタイヤで雪の峠走ったり、鳩の燻製(くんせい)作ったり、知らないウチに調理師免許持っていたりと・・・・・・、まぁ、ちょっぴり変なヒトです。
 そのくりちゃんが宴会の時の調理を一切合切(いっさいがっさい)やってくれます。塩辛、うまき(うなぎ入りのダシ巻き卵)、大トロ、牛タタキ、アナゴの天ぷら等、年末に仕入れたり仕込んできたりしたモノを食べさせてくれます。そうこうしているウチにメインの料理がどどーんと登場します。今年(昨年はあんこう鍋、一昨年はすっぽん鍋)は河豚(ふぐ)鍋が出てきました。綺麗に盛られた河豚刺しのお皿も出てきたので、一皿分を一気に箸でつまむ通称 「中居食い」 をしてみたかったのですが、そこは我慢、チマチマといただきました。あ、刺身よりも鍋の中でしゃぶしゃぶして食べた方がオイシイって知ってましたか。私は知りませんでした。
 そんなこんなでへべれけに酔っ払って、明け方にふと目が覚めました。見渡すと幼稚園から今までの友人達十数人が、布団もろくにかけないで雑魚寝(ざこね)をしています。夫婦で来るヒト、家族の許可をもらって来るヒト、恋人同士で来るヒト、独身だから来るヒト、独身になっちゃったから来るヒト・・・・・・。職場に戻れば部下がいたり、家に帰れば子供がいたりと、一人前の 「イイオトナ」 のはずの、そんなみんなの姿を見ていると、実は毎年嬉しくなるのです。
 いくつになってもこうして馬鹿なことができる友達はいいなぁ、俺はダメダメだけれども友達には恵まれたかもしれないぁ、よっしゃ!今年も一年頑張るぞ!・・・・・・、と。
 私にとって友達は財産であり原動力なのです。
 さあ、2003年も始まりました。もちろん勉強は大事なのですが友達も大事です。悲しいかな1年3組もあとわずかで終了です。よい友達をたくさん作れ。
 あ、くりちゃん紹介しましょうか。 


ただし人生は基本的に危ないものでもある。いつ、どこでどうなるかわからない。だからいまここに生きている

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