154 01月21日

ちょっと聞いてくれ。 

 以前、ジョン・レノンの話を書いたのを覚えていますか。その時に同じくビートルズのメンバーで、ベースギターを弾いていたポール・マッカートニーというヒトにちょと触れたので、今日はズズーンっと触れてみたいと思います。
 野球少年が松井選手やイチロー選手に憧れるのと同じで、音楽少年も憧れの対象を持たないといけないなぁ、と感じた私は、ビートルズが好きだった兄の意見を参考にして、ひとつのバンドを選びました。ビートルズ解散後にポールが作った、ウイングスというバンドです。
 さっそく親に小遣いをねだり、お金を握り締めてレコード屋(CD屋なんか存在していない)に走りました。今まで漁(あさ)ったこともない洋楽(外国の音楽)LP(大きなレコード)コーナーの、頭文字 「W」 の場所をがさがさ・・・・・・。
 あった。ありました。ウイングスのレコードを何枚か見つけました。けれどもどれがどれだかさっぱりわかりません。 「ジェット」 って曲がカッコイイぞ、なんて兄が言っていたのを思い出した私は、その曲らしきものが入っているレコードを選び出し、レジに向かいました。
 「え、こんなの買うの?」 と、レコード屋のおじさんは目を丸くして言ってきました。それもそのはず、それまではシングルレコード、しかも 「ピンポンパン」 や 「ハッチャキマチャアキ」 や 「ランボルギーニカウンタックの走行音」 や 「ポルシェ930ターボの走行音」 しか買ったことがなかったのですから。
 家へ帰って早速レコードをかけました。そしたらなんだかカッコよい。多くの友達が 「ピンクレディー」 や 「キャンディーズ」 や 「西城秀樹」 や 「郷ひろみ」 なんかを聴いている中、洋楽なんかを聴いている自分がカッコよく思えてきたのです。今思えばそんなことはないのですけどね。
 自然とその優しい歌声とメロディーが頭にインストールされていきます。そして気がつくと鼻声やら口笛で歌ってしまっています。ビートルズ時代にさんざん名曲(「イエスタディ」 とか 「ヘイ・ジュード」 なんて知っているかね)を作ってきたというのに、まだまだ作れるポールって本当にすっごいんだなぁ、と、すっかりやられていた私でした。
 その後、兄からいらなくなったエレキギターをもらい、とうとう楽器を始めてしまいます。最初に買った教則本は 「一週間で弾けるビートルズ」 、やっぱりポール関連を選んでしまいました。
 ベーシストでもあるポールに憧れていた私ですから、「誰も持っていないベースギターを買えば、絶対に誰かとバンドが組めるだろう、そしてモテモテに決まっているぞ・・・」 と、いった単純かつお馬鹿な考えでベースギターを買ってしまうのでした。
 まとまってないですね。ま、いっか。
 それにしても、なんて単純でくだらない少年だったのでしょう。
 それよりなにより↑に出てきた、「 」 内の言葉はよくわかるぞ、というヒトがいたら、かなり怖いな。 


あるべき姿なんて見たことない。ここにあるべくして、あるものだけが見える

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