34 11月03日

何のために勉強し、学校にくるのか

 先日、朝日新聞の家庭欄(10月31日朝刊)に面白い記事が載っていたので
紹介します。17歳の男子高校生からの質問と、それに対する回答です。答えて
くれるのは、ゲームクリエイターの飯野賢治さん、顔を見れば「あー、知ってるー」
という程のヒトです。まあ、とにかく読んでみてください。

質問
   おれは何のために勉強するのか分からないので勉強なんか全くしてない。
  学校には行くけど、夜は遅くまで毎日遊んでいる。友達がたくさんいてすっ
  げー楽しい。でも、成績悪くても卒業できないかもしれない。母親は、いい成
  績でなくてもいいから高校は卒業してくれと説教する。大学にも行かせたいみ
  たいで、大学で遊べばいいという。でもおれは大学生みたいなオヤジになっ
  て遊んでも今より楽しいとは思えない。だから、今遊ぶのだ。
   マスコミだっていい大学に行くこととか立派な会社に入ることが幸せじゃな
  いと言っている。、と母親に言うと、それは建前、と答えた。だれの言うことも
  勝手だと思う。おれが勉強しなくても困るのはおれで、おれがそれでいいなら、
  勉強なんてしなくてもいいんじゃないか。何のために勉強しなくちゃいけないん
  ですか。 

回答
   重要なことは「あなた」という範囲をどこまで見ているのだろうか、ということ
  だ。それはあなたがあなた自身をどれだけ大切にしているか、ということでも
  ある。
   これから年老いていき、やがてあなたの助けが必要となる。あなたの両親
  のことを考えているのだろうか。やがて結婚する相手のことや、生まれてくる
  あなたの子供のことを考えて行動しているのだろうか。昨日や今日、夜遅くま
  で遊んだ友人たちはこれからもずっと、あなたと遊び続けてくれるだろうか。あ
  なたが病気になった時、彼らは助けてくれるのだろうか。
   あなたが言うとおり、あなたの人生はあなたの勝手だと思う。だからこそ、あ
  なたの人生は自分で守っていかなければならない。あなたの人生は自分で豊
  にしなければならない。十七歳という時間はまさにその下積み、下準備になる
  のではないだろうか。それを、あなたが友達との夜遅くまでの遊びにあてると
  判断するのは全く構わない。しかし、自分の未来や両親などとのつながりに目
  をふせて、その行動を取っているのなら、ただ逃げているにしかすぎないと思う。
   親にメシを食べさせてもらいながら、親の将来も考えず、大学に行くとも行か
  ないとも決められずに、親の金で高校にただ遊びに行っているのだとしたら、今
  のあなたはとてもかっこ悪く見える。自立していないガキだからだ。

 「今が楽しければいい」という言葉がよく出てきます。将来のことは、その時に考えれ
ばいいと思っているのでしょう。面白いことに、この考え方を持つのは、諸君のような若
者に多いのです。我々以上の年代になると、今が楽しければいいという考えのヒトなど、
ほとんどいません。何故だかわかりますか?答えは簡単です。今が楽しければいいとい
う考えが、間違った考えだからです。
 諸君の中にも「今が楽しければいい」という考えのヒトがいるかもしれません。しかし、
そんなヒトでもやがて就職し、結婚し、親となっていく中で「今が楽しいだけじゃ駄目なんだ」
なんてことを誰かに言っていたりするのです。おかしな話ですよね。だったら最初からそん
な考えは持たずに過ごしていけばよいのです。
 しっかりと将来を見つめ、多少つらくても、楽しくなくても「頑張る」という気持ちを持って
過ごしていけば良いのです。間違ったこととわかっていて、それをやっていく程、諸君は
お馬鹿じゃありませんよね。「今が楽しければいい」なんてお馬鹿な考えは持たないで下
さい。それにしても回答の最後の3行、かなり強烈ですよね。身にしみてしまうヒトもいる
のではないですか。 

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