35 11月21日

まとまりのない話になってしまった。でも諸君も考えてみな

 先週末、幼稚園・小学校あたりからの友人数名(bP1・12で紹介した中
学時代のバンド仲間、bQ5・26で紹介した夏の初体験ツアーの仲間含む)
と、飲んでいました。場所は都内新宿にある、友人行きつけの居酒屋です。
40代の女将さんが一人でやっている家庭料理中心の店で、中学3年の娘
さんが手伝いをしています。10畳程の座敷の片隅には本棚・テレビ・ラジカ
セ・毛布などがあり、まるで普通の部屋のようです。朝まで営業しているこの
店が忙しい時には、この娘さんは座敷に寝泊りしながら、母親の手伝いをし
ているとのことでした。実際我々は、朝までその座敷で飲んでいたのですが、
夜中を過ぎたあたりで、娘さんは毛布にくるまり、畳の上で横になって寝てい
ました。制服のままだったので、学校帰りにそのまま手伝ってくれていたので
しょう。
 深夜になり、女将さんも我々の席に加わり、飲んでいた時、友人の一人(3
歳の娘あり)が、座敷の隅で寝ている娘さんを見て、ポツリと「かわいそうだな
あ」と言いました。その一言がきっかけとなり、女将さんとその友人とで、しば
しの間、子育て論について熱いバトルが繰り広げられました。その内容につい
て詳しく触れると、また話が長くなってしまうので、そのバトルを聞いていて、私
が思ったことについて書きたいと思います。自分の子供を育てるにあたって、
熱く話をする『親』という姿を見て、逆に私自身はどういう思い出育てられたの
だろう、と思ったのです。
 人は必ず、育ててくれた親がいます。直接の親ではなくても、祖父や祖母、
歳の離れた兄弟等、誰かしらの手によって育てられているはずです。その親
の思いというものを、子は知らず知らずのうちに受け取って、自分のものとして
成長していきます。人の性格というものは、その「親の思い」も含めた環境によ
って70パーセント程は形成されるのだそうです。遺伝してもらう性格はたった
30パーセント程ということです。自分が育った「環境」というものは、今の自分
自身を形成する中で、非常に重要な部分を占めているのです。
 そ、いうわけで私はいったいどういう環境の中で育ってきたか考えました。
 両親共に32歳の時に東京で生まれました。その後神奈川に引越し、大学
卒業まで過ごすことになります。父は航空関係の出版社を経営し、母は本・
文具等を扱う店を経営していたため、高校辺りまでは比較的裕福な家庭だっ
たかもしれません。正月になると父の会社の社員達が皆、家へ集まってはお
年玉をくれたりしました。自宅は団地の4階でした。
 小学校の頃から高校まではいわゆる「鍵っ子」でした。家へ帰っても誰もおら
ず、食事は母の経営する店まで行き、そこで食べて再び自宅へ帰るのです。5
歳年上の兄がいましたが、一緒に遊んだり、兄弟喧嘩をすることもほとんどあり
ませんでした。父はほとんど帰ってきません。
 そんな環境の中で、両親は比較的放任主義だったようです。厳しく怒られた
こともほとんど記憶にありません。両親ともお互いの仕事に一生懸命で、私達
兄弟のことを気にする余裕が無かったのでしょうか。最低限のことはしてもらい
ましたが、「特になんだ」と紹介できるような経験もありません。そんな中で、書
類上は私が20歳になってから、(諸々を考え、成人するまでまっていたらしい)
形の上は私が高校生の時に、両親は離婚しました。時期を同じくして父の会社
は倒産、母の店も多大な借金を残したまま閉店することになりました。
あ、なんだか暗い話になっちゃいましたね。まあ、両親共、私に多くは求めるも
のがなかったような気がするのです。いや、唯一求められて私がプレッシャーに
感じていたことがありました。中学受験です。両親共学習院大学を卒業し、兄も
中学からそこの付属校に通っていました。だから私もそこに通え、という親の思
いがあったのでしょう。小学校の高学年からは、毎日塾や家庭教師のお世話に
なっていました。見事に中学受験は失敗、大学受験時にリベンジを試みたので
すが、再び撃沈。プレッシャートと共にブクブクと沈んでいきました。
 先に書いたように、高校あたりから生活環境がかなり変わりました。住んでい
た家も借金のカタに手放して、借家住まいとなりました。通っていた高校は県内
でもガラの悪いことで有名な公立校でした。そんな環境の中で私は大人になる
ための下準備段階を過ごしていたのです。というか、話がまとまっていません。な
んなんだ・・・
 それでも今、こうして振り返って考えてみると、今の私の基本的な部分は、高
校の時には出来上がっていたような気がします。ということは、小学校の時に両
親から、今の私の素になるモノをたくさん受け取っていたということなのでしょう。
 しつこいようですが、中途半端で終わってしまいました。すっきりしないのでこの
話は続きます。

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