077 09月05日

続、夏がく〜れば、てか行っちゃったか。 

 地図で言うと、南(下)に突き出ている半島の東(右)を南に向かって走っているため、左手に青い海、右手に青い山という最高の眺めを楽しみながら我々は、しゅびしゅびと走り続けました。もちろん窓を全開にして、心地良い風を体で感じながらのドライブです。丁度 「海山村(素敵な名前の村だ)」 という村を通過するあたりで水平線に沈む夕陽を眺め、今回の旅の成功を確信した私がいました。(ふん、学生の頃から無計画の旅ばかりして、結果的には成功を収めているんだ。今回だってきっと楽しい旅になるに違いない・・・。うっひっひ)心の中でひとりほくそえむ私でした。
 車は快調に海沿いの道を南下していきます。
 ブーン・・・・・・。ブブーン・・・・・・。
 走れど走れど半島の先に着きません・・・・・・。
 ブーン・・・・・・。ブブーン・・・・・・。
 まだ着きません。それどころか、「○○まで○○キロ」 といった案内板さえ出てきません。
夕刻前には半島の先っちょに着いて宿を探すはずだったのですが、途中の電話ボックス(携帯なんか持ってない時代)で引っ張り出した電話帳から、夕飯が美味そうな宿を名前で選び出して予約を入れました。そして再び走り続けます。
 ブーン・・・・・・。ブブーン・・・・・・。
 まだまだ着きません・・・。
 ブーン・・・・・・。ブブーン・・・・・・。
 さっきまでなごやかだった車の中に、なんだか険悪な空気が漂(ただよ)い始めました。会話も無くなってきました。口にこそ出しませんでしたが、(誰が先っちょまで行こうと言い出したんだっけ。伊勢志摩で宿を決めていたら、今ごろは風呂入って、美味い酒キューって呑んで・・・・・・あ〜あ・・・)きっと皆同じ事を考えていたに違いありません。
 ようやく宿に着いたのは、夕食時間もとうに過ぎた夜の9時近くでした。ひんやりと冷たくなった夕飯を食べて、浴場の終了時間も迫っていたため適当にザブーっと入った我々は、疲労のためにほとんど呑んで語ることもなく、そそくさと寝てしまいました。私が感じた旅の成功の確信はどこへやらです。
 実はね、我々がナメてかかっていた 『半島』 は 「紀伊半島」 っていう三重県、奈良県、和歌山県、大阪府等を含む、日本で一番おっき〜〜〜〜い半島だったのでした。そのことをよくわかっていなかった我々の負け。いいオトナなのに・・・・。結局往復で2000キロ近く走ってしまう旅となりました。
 ビバ無計画!いやいや、こんなんじゃ駄目だっつーの。無知と無計画とは恐ろしいモノです。諸君も気をつけてください。
 先日、その後輩Sが、長年付き合っていた彼女と結婚しました。マリンスポーツをこよなく愛する彼等らしく、海の家での結婚式。めでたいことです。おめでとう!
 んで、ミラクルはどうなった。 


いいことを思いついたら、気心の知れた友達にまず話そう。人の思いつきの芽を摘むのが好きな人たちに出会う前に、熟成させる時間が必要だから

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