098 10月10日

暴走小学生。 

 イキナリですが 「公園」 です。幼少から大学まで住んでいた街には、たくさんの公園がありました。それぞれ正式な名称がついていると思うのですが、ガキンチョの我々は勝手に名前を付けて遊んでいました。
 山やら緑があるから 「自然公園」、ロケットの形の遊具があるから 「ロケット公園」、ドーナツ型の砂場があるから 「ドーナツ公園」、西部劇に出てくるような砦(とりで)があるから 「砦公園」、土地が三角だから 「三角公園」、4−4号棟(団地)の横にあるから 「よんよん公園」、つつじが生えているから 「つつじ公園(別名ABC公園、何故だ?)」、カバ親子の形の砂場があるから 「カバ公園」、2街区(団地)の中にあるから 「2街区公園」・・・・・・
 子どもの頃はこういった公園でしょっちゅう遊んでいたものです。そんな公園でのオモイデヒトツ。
 小学校4年の頃でした。理科の実験か何かで、アルコールランプを使いながら 「ロウソク」 を作りました。「よーし!クラスで一番のロウソクを作ろう!」と、同じ班だったアマノ君(永井豪作品、アルフォンヌ先生のものまねが得意。わっからねーかな?)とシムラ君(転校生でお金持ちでハンサム)と頑張っていたのですが、どうにも納得のいくロウソクが出来ませんでした。
 「よーし、今日帰ったらまた作ろうぜ!」 「つくろうつくろう!」 「どこでやる?」 「家でやると怒られちゃうからな・・・」 「じゃ、カバ公園」 「カバの中なら風も吹いてこないし」 「あまりヒトも来ないしね」 「きーまり!」
 放課後、お互いの家から、ロウソク、糸、マッチ、ライター等を持ち寄って、砂場になっているカバの体内でロウソク作りが始まりました。ロウソク作りといったって、普通のロウソクを溶かして、自分達の好きな型に入れて再度固める・・・という単純なものです。ロウソクを作ることよりも、火を使うということに、野球帽かぶった半ズボン軍団の興味が集中していったことはいうまでもありません。
 カバの体内で炎がゆらゆらと揺れています。ロウソク作りはほどほどに、火を絶やしちゃいけないと、燃えるもの探して狭い公園内をうろちょろしていました。小枝やお菓子の包み紙、枯葉・・・手に手に 「燃料」 持ってはカバの中に入っていきます。
 「あんたたちー!何やってんのー!」 近所のおばちゃんが叫んできました。「学校の実験のロウソク作りでーす!」 優等生を装って答えてみたものの、おばちゃんは更にチカラの入った声で 「これがロウソク作り?火事よ!火事!」 とのたもうてます。
 おばちゃんの立っている方を見た我々の目に飛び込んできたものは、メラメラと炎が燃え広がる公園の芝生でした。火のついた紙片が風に飛ばされ、芝生に燃え移ったようです。
 「あ”あ”あ”〜〜〜!!!」 おばちゃんを含めた4人でバタバタと火を踏みつけて、ようやく消し止めました。マジ怖かったです。立ちつくす半ズボン軍団・・・・・・
 翌日、出来たロウソクを学校に持っていった我々がホメラレタのは言うまでもありませんが、この事実を内緒にしたのも言うまでもありません。実は本邦初公開です。
 あやうくカバ焼きを作ってしまうところでした。気をつけましょー。
 良い連休を。   


あらゆる障害を歓迎しよう。少なくとも、あなたを奮い立たせてくれるものなのだから

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