114 11月06日

プチミュージシャンか。 

 ベース弾きの私は高校時代、重金属(ヘヴィメタル)なバンドも組んでいましたが、インスト(歌なし)のジャズ(といってもかなり広範囲)を演奏するバンドも組んでいました。高校を卒業してからもオリジナル曲を作って活動を続けていた我々に、ちょっとしたコネを業界に持っている友人が、「某アイドルグループがバックバンドを探しているから、デモテープを作って送ろう」 という話を持ってきてくれました。
 早速スタジオにこもり、某アイドルグループの曲を演奏したテープを作成しました。そして、見事に我々はバックバンドの座を得てしまったのです。
 アイドルグループとは言っても、B級アイドルです。けれどもB級アイドルとは言っても、アイドルグループなのです。若いムスメさん達三人が、演奏している我々の目の前で腰をクネクネ、おしりをフリフリさせて踊っているのです。そんな状態でリハーサルなんかやられちゃった日にゃーあんた・・・。ウシロで演奏している我々は、もう大変な状態になっちゃったりして・・・・・・。あ、話題がそれました。
 ある時、三重県の伊勢志摩のホテルで、ディナーショーの仕事が入りました。社長や彼女達は新幹線を使い、当日現地入りです。バックバンドといってもまだ駆け出しの我々は、クルマ2台に機材とメンバーを詰め込んで前日に横浜を出発という、全く扱いの違う行程です。最低でも半日はかかります。「いつかはビッグになって機材も俺達も運んでもらおうぜ」 という思いの中、運転を交代しながら現地を目指しました。
 ようやく現地に到着し、一息つく間も無くセッティング、リハーサルを始めます。そこでは再びクネクネのフリフリ・・・。そして本番、1時間程で演奏は終了です。片付けが終わった後、簡単な打ち上げをするということで、宴会座敷に呼ばれました。
 事務所の社長、スタッフらの関係者と、先ほどまでクネクネフリフリしていた彼女達が座って待っていました。座卓の上には、伊勢志摩の港で水揚げされた新鮮な魚介類はもちろんのこと、先ほどのディナーショーでお客がウマそうに食べていたものが、どどどーっと置かれていました。我々が片づけをしている間に、温泉に入ってきたのでしょう。彼女達は浴衣姿です。うひ。
 「カンパ〜イ!お疲れ様でした〜!」 打ち上げが始まりました。「今日はありがとうございました・・・」 ホテルの社長が我々の所まで、わざわざお酌をしに回ってきてくれました。ライブの後の打ち上げは、自腹を切ってメンバーだけで居酒屋でやることが常(つね)だった我々は、こういった接待まじりの打ち上げは初めてでした。腹の中が刺身でいっぱいになったのも初めてでしたが・・・。そのままホテルのナイトラウンジで2次会になだれ込みました。浴衣姿の彼女達ともカラオケを楽しみ、伊勢志摩の夜は更けていきました・・・・・・。
 「うおー!これでギャラももらえるなんて、ミュージシャンっていいぞぉ!もっともっと音楽でメシ食えるようになるぞー!」 と、そこから先の音楽活動の意欲に、ターボブーストがかかってしまったのは、まぎれもない事実です。
 こんなこと書いていたら、音楽やっていた頃のハナシが、まだまだあることに気がつきました。また書きます。
なんで教師になってしまったのでしょう。 


相手がどう思っているかは、相手が決めること。あなたが決めることじゃないよ

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