115 11月07日

ザイモクって。 

 大学時代は、ジャズ研の先輩達と、ソウルフルなブラックコンテンポラリーミュージックテイストの入ったオリジナル曲を演る、エンターテイメントを目指したファンクバンドも組んでいました。ん、なんだかわかりにくい表現だって?では諸君向きに、もう少しわかりやすく表現します。米○クラブやダ○スマンや久○田利伸みたいな音楽をやる、結構多人数のバンドも組んでいました。これでよいでしょうか。
 都内のライブハウスには、ほぼ毎月出演させてもらっていました。その他キ○グトーンズやジ○ームズ藤木(元クールス)といった、和製ソウルミュージシャンの方々と一緒のソウルイベントにも、何度か出演させてもらっていました。それなりに本腰を入れて活動していたのです。
フロントライン三人は、細身で端整(たんせい)な顔立ちの男達だったので、バンドにはそこそこ若いおねーちゃんのファンもついていました。が、どういうワケかライブの後、私に握手を求めてくるのは、若いおにーちゃんばかりでした。「ア○ッチ野球軍」 という漫画に出てくる、そのキャラクターに似ているから、「お前はザイモクだ!ついでにXがついたらかっこいいか・・・」 と芸名(?)を半ば強引につけられてしまった私は、メンバーの中で一番イカツかったようです。メンバー紹介の時、「オンベェ〜ス!ザイモクエ〜ックス!」 とか言われたり、広告に名前を印刷されたりするのには、しばらく抵抗がありましたが、今ではメアドにも使う程、ナニ気にお気に入りです。ちなみにお笑いバンドではありません。
 そのバンドで、ライブ等の音響技術を学ぶ専門学校の、「実習モルモットバンド」 を数日間程やってもらえないか、という仕事をもらいました。専門学校の方で、ホール、宿泊所、機材等を用意するので、言われるままに持ち歌を演奏してくれというのです。もちろん費用は向こう持ち、ギャラだって出ます。場所は福島県喜多方市。水が美味しいので、ラーメンや酒で有名な所です。
 メンバー7人と楽器は、2台の車に分乗しました。丁度台風が来ていたので、それを追いかける形で東北自動車道を北上していきました。そして喜多方市に到着、完成したばかりの市民会館が仕事場です。客こそいませんが、ライブハウスといった小さめのハコでの演奏が主だった我々にとって、巨大な会館のステージは圧巻でした。「う〜ん、いつかはこんな大きなハコで演ってみたいぞ」 と、素(す)で思いました。
 我々はステージ上で演奏して、生の音源を提供しているだけです。その音源を使って、専門学校の生徒さん達がミキサーという機械の前で、あれこれと実習をしています。金なしバンドの我々としては、練習はできるし、メシも食えるし、かなり都合の良い仕事でした。
 宿舎(地元の旅館ね)に戻る前に、必ず酒屋に寄り、今日の地酒は何にするかと、日替わりで楽しんでいました。同じ宿舎には、専門学校の講師(第一線で有名ミュージシャンのツアーに同行している音楽エンジニアの人達)や生徒さんも泊まっているので、連日宴会の毎日でした。
 「今回はモルモットバンドだけど、自分たちのライブツアーだったらもっと楽しいのだろうな。ミュージシャンって最高だ!ビッグになってやる!」 と、更にターボブーストがかかった我々だったのは言うまでもありません。
 あ、そういえばバンド名を知らせていませんでした。「一度聞いたら忘れない名前なんだ」 と、私が入る前からついていたバンド名は・・・。
 ICHIMOTSU BROTHERS 日本語で表記するのには、多少なりとも抵抗があるんだな。
 良い週末を。 


人を好きになるのに、時期もクソもない

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