119 11月13日

やきやき。 

 以前、シャケナベイベーな私は焼き魚が好きだ、という話をしたと思います。よくよく考えると、そもそも、「食べ物を焼いて食べる」 という行為が好きなようです。大学時代、キャンプだなんだと、野外で焼いて調理する機会が多かったので、自然と、「食べ物を焼いて食べる」 ことが好きになっていったのでしょう。もちろんアウトドアには欠かせない、コ○ルマンというメーカーのガスコンロも購入し、休みの度に活躍してもらいました。けれども、「なんか違うぞ・・・」 と感じていた私がいました。
 実は現在の家に住む、と決心した決め手は、「12畳の和室がある」 ということでした。その部屋の持つ畳や障子の質感や趣(おもむき)がとても魅力的だったのです。それまでは、一部屋しかないような小さな家に友人を招き、年間2回程の呑み会をしていました。友人達に窮屈(きゅうくつ)な思いをさせていたので、快適な空間が欲しかったのです。畳の無い部屋に一人暮らしをしていましたから、和式な 「何か」 が欲しかったのかもしれません。
 時が経つのを忘れて呑んでもらおうと、その和室には余計なモノは置かないようにしました。置いてあるのは、座卓(テーブルだね)が二つと火鉢、そしてゴキゲンな音楽だけは提供してあげたいので、他の部屋から接続されているスピーカーを置きました。まさに飲み屋の宴会場、時間を気にせず呑んでもらおうと、時計だって掛けてありません。私的にはその辺の飲み屋さん以上に、素敵な宴会場を作ったつもりです。
 ハナシがかなりそれてしまいました。そんな和風思考の私は、「この部屋では何を使って焼いたらいいんだ」 と考えました。そして、「モノを焼くなら、江戸時代からの歴史のある七輪だな、そうすりゃ物干し台でサンマも焼けるぞ」 という結論に至ったのです。そういえば大学の卒業論文は、「江戸ッ子気質の成立」 ってタイトルでした。
 その七輪(しちりん)ですが、諸君は知っていますか。ウチワをパタパタとあおいでサンマを焼いている場面では、必ずと言って良いほどに登場する、焼きアイテムの一つです。使用しているウチに、七輪ってモノは炭を使う器具として、かなりのスグレモノだということがわかりました。炭を使う調理器具は和洋を問わず、世の中にたくさんありますが、今まで私が使ってきたモノは、火が消えてしまったり、火力の調節が難しかったりと、使いにくいモノばかりでした。
 ところが七輪は違うのです。火は消えないし火力の調整も自由です。重たいし扱いにくい形をしているので、持ち運びには多少の不便を感じます。しかし、焼きあがったモノの味を考えると、「どこまででも連れていっちゃうぞ、七輪くん」 という気分にさえなってしまいます。なぜか美味しく焼けるのです。ごく普通に、「焼く」 といった調理方法があてはまる、魚や野菜や肉なんてモノはもちろんなのですが、それ以外を焼いたって、もんの凄く美味しいのです。恐るべし江戸のパワーです。
 がんもどきや油揚げの表面をパリパリに焼きます。ショウガ醤油に刻みねぎを入れたタレにつけて、口に放り込みます。「じょわぁ〜っ」 と香ばしい音と香りにつつまれたまま、サクサクサクサクハグハグハグハグ・・・・・・。近い将来、諸君が酒呑みになったら、だまされたと思ってやってみてください。面倒くさいか。
 実はポテトチップスやせんべいなんか焼いても、かなりいけるんだな。コレが・・・。チョコ類でもいけそうな気がするし。
 現在我家には、3種類の七輪くんがいます。
 しまった。また食い物ネタに・・・。 


私もそうだよ

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