023 05月18日

尊いもの。 

 この原稿を書いている今日は5月15日の土曜日です。仕事は休みなのですが、ウチにいると昼から、いや、朝から飲んだくれて駄目駄目になってしまうので、まーたマイバイシクル(ロードレーサータイプ)で出動し、職場で仕事をこなしていたところです。諸君がこれを読むのは18日になるかと思います。
 そんな中、とても悲しい知らせが入ってきました。今日の未明、本校生徒2年生の男子が自ら命を絶ってしまったという知らせでした。丁度諸君に私の高校時代のことを、「Positive」 に載せようと、その原稿を打っていた真っ最中の出来事です。
 実は高校時代は楽しかったぞ、といった内容の原稿を書いていた最中でした。そんな時に、高校時代真っ盛りの諸君の仲間が自ら命を絶ってしまった、という知らせが入ったのです。悲しくて仕方がありません。こうして原稿を打っていて、なんだか涙が出てきてしまいそうになります。だって人生80年、楽しいのはこれからです。まだ四分の一も終わってない諸君の世代なのですから。
 私だって高校時代、彼女とケンカしたり親とケンカしたりして、「ちくしょー、死んでやる!」 と思ったことはあります。諸君もあるのではありませんか。でもね、その時の自分がどんなにミジメだとか不幸だとかしても、きっと未来の自分はシアワセ一杯ユメいっぱいに違いないんだ!と、思ってふんばってこれた自分がいたのです。それで踏みとどまれたのです。
 自ら命を絶ってしまった彼のことは、廊下等ですれ違ったことはあるかもしれませんが、私は直接には知りません。けれども何が悲しいって、これからがたくさんあるじゃん、可能性の宝庫じゃん、って時にいなくなってしまったのが悲しいのです。
 彼は自宅から自転車で数キロ離れたところで、自ら命をたってしまったと聞きました。真夜中に必死で自転車をこいでいたであろう彼のことを考えると、更に悲しくなってしまいます。自転車をこぎながらいったいどんな思いだったのだろう、何を考えていたのだろう・・・。さぞ辛かったことでしょう。さぞ迷ったことでしょう・・・。彼にも、彼なりの正当な理由があったのだと思いますが、何か手助けできればな、思ってしまいます。今となっては何もできませんし、ほとんど接点はありませんんでしたけどね。
 今さらこんなことを書いても彼には伝わりません。けれども私に関りを持てた諸君には、私のこの思いが伝わってくれることを祈ります。命だけは大切にしてください。この世には、生きたくたって生きていけない命があります。生きようと思ったってこの世に生まれて来れずに終わってしまう命だってあります。諸君はこの世に命を授かって生まれてきました。そしてこれからが人生を作っていく一番楽しい時期に入っていくのです。それを存分・充分に認識して、楽しんで行って欲しいのです。命ほど尊いものはありません。
 「自分がどんな状況に置かれようと、きっと挽回してやるぞ。今が最高、常に前向きポジティブに!」 そんな私の考えが、今諸君が読んでいるこの学級通信のタイトルでもあり、私の基本的な考えでもあるのです。
 頼むぞ。
 御冥福を祈ります。  


ゆったりと間合いをとって話してみよう。せわしなく話したら、相手の耳は塞がれてしまうから

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