102 10月20日

自転車その1。 

 そういえば、「趣味はサイクリングです」 というフレーズを最近聞かなくなりました。その昔はこのフレーズをよく耳にしていたような気がします。はぁ、年とっちゃったな。今日はそんでもってその昔のおハナシからです。
 中学生になった時、27インチ、10段変速ギアのついた、ドロップハンドル(横から見ると、ぐにゃっとU字型に曲がったヤツね)の自転車を買ってもらいました。それまでは私の大きな身体と大きな顔には不釣合いな、24インチ5段変速の、ごく普通のハンドルの自転車でしたから、そのドロップハンドルの自転車を買ってもらった時の嬉しさったらありゃしませんでした。「これで長距離サイクリングにも行けるぞ」 とひとりでニヤニヤしている少年斎藤でした。
 当時の愛読書に、「サイクルスポーツ」 という雑誌がありました。国内外のロードレースや、競輪等の記事、自転車本体や部品等の新製品の紹介やレポート、自転車屋などの広告が主な内容の雑誌です。
 「お、この部品は買いかもしれない」 「うわ、すっげー自転車置いてあるじゃん」 など、その雑誌の広告を見て、「行く価値アリアリ」 の自転車屋を見つけては、片道数時間かかろうとその自転車屋に行っていました。「キミ達どこから来たんだい」 なんて聞かれて、「○○からです」 「お〜、ずいぶん遠くから来たんだねー」 「いえ、ほんの○時間ですよ・・・」 なんて会話を楽しんでいましたっけ。
 けれども私はそういった記事よりも、読者から寄せられた自転車旅行記のような記事が好きで、毎月楽しみに読んでいた記憶があります。そういった記事を読んでは、次は何処へ行こうかと、地図やガイドを見ている私がいました。行き先が決まれば、自転車の前部にルート地図のはさまる専用バッグを取り付けて、母親におにぎり等を作ってもらい(コンビニなんてほとんど普及していないのね)、小学校の頃から仲の良かったアイヘー(あいざわ君)と、しょっちゅう 「サイクリング」 ってーヤツに行っていました。中学生だったので、ほぼ日帰りですけれどもね。
 そんな私の長距離ラン初体験は、自宅から相模湖まで行くというモノでした。片道約50キロの行程で、もちろん山あり谷ありです。かなり長い道のりです。当然ひとりで行くなんてコトはしません。この長距離ランも、アイヘーと計画したものでした。棟は別ですが、同じ団地内に住んでいたアイヘーと早朝に待ち合わせをして出発したような記憶があります。行きだか帰りに雨に降られたような記憶もありますが、定かではありません。けれども、長い距離を走り終えて、湖が見えた時の嬉しさったら今でも覚えていますし、帰って来た後の、「どーだ、やり遂げたぞ」 という達成感も覚えています。
 中学を卒業して、私は県内の高校、アイヘーは都内の高校へ進学しました。電車は反対方向ですし、諸君も知っている通り、その後の私は音楽にずぶぶぶぅ〜、とハマっていくことになり、次第にアイヘーとの距離も遠くなっていきました。
 そしてアイヘーの存在は、いつしか、「あまり使わない方の記憶の引き出し」 にしまわれていきました・・・。
 あ、一話完結になりませんでした。明日に続くだな。 


あなたが自分のこと嫌いでも、私は好きだよ

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