106 10月26日

走るオジサン。 

 さて、先週金曜日の 「ポジ」 に書いた、チャリダー斎藤復活の渡良瀬ランを無事に終えることができました。今日はそのお話です。
 「集合場所に、分解した自転車を入れたカバンを持った怪しいオジサンがいたら声をかけてあげてね」 といったコトバを残して、当の本人のアイヘーは交通渋滞に巻き込まれたため、途中から合流することになりました。集合予定場所の駅に行くと・・・。いましたいました、自転車を持ったオジサンがまずひとりいました。声をかけるとやっぱりクラブの方でした。始めまして、今日はよろしくお願いしますと挨拶を交わし、列車を待ちました。予定の列車に乗ると、数人の自転車かかえたオジサン達がいました。数駅前から乗り込んでいたのこと、再び挨拶を交わし、いろいろと話しをしながらようやく足尾駅に到着、自転車を組み立てるオジサン軍団がいました。
 共同でランを企画をしたアイヘーもまだいないし、地元だということもあって、クラブラン初体験のくせに私が先頭を走ることになりました。いーのかなー、と思いつつ、また皆さんに快適に走ってもらおうと気も使いつつ、「えーい、行ってしまえ!」 と出発しました。
 これでもかー!という程の青空の中、気温も快適、視界には渡良瀬川の渓谷美と清流が絶え間なく飛び込んできます。「超キモチイイ!」 先だってのアテネオリンピックで水泳の北島選手が口にした言葉が、素で口からこぼれ出ました。忘れていた何かが私の中でよみがえり始めました。途中でアイヘーとも合流しました。感動の再会となるかと思いきや、その時はランの途中ということもあり、結構あっけないモノでした。ようやく全員集まった自転車オジサン軍団は、再び走り始めました。
 桐生まで下り中心の快適なランを終えた私は、「足利まで美味い蕎麦を食べに行きませんか、ちょっとした峠がありますが、蕎麦は絶品です」 という提案をしました。店に電話をすると、蕎麦はもう売り切れてしまったけども、来るのならまた打ちますよ、との嬉しい言葉をもらいました。もちろん皆で向かうことになりました。
 「やったー、蕎麦だー!」 私はパワー全開で、「ちょとした峠」 を先頭切って走り始めました。しまいには下り坂を走りながら、「ソバヤソバーヤー!」 と歌いだす始末です。ところがその先は・・・・・・、「ちょっとした峠」 ではなく、「本日いちばんの峠」 が待っていたのでした・・・・・・。いつも車でその道を走っている私は、ちょっと認識が甘かったようです。自転車で走るべき道ではありませんでした。だって峠が3つもあったんだもん。しかもヘビー級・・・。ああ・・・。
 「なんだよ、話が違うよぉ」 と言葉をもらしながら走るオジサン達・・・。申しわけありません、と思いながら走る私自身は、最後の峠道ではとうとう自転車を降りて押して歩く程に弱っていました。「ソバヤソバーヤ!」 の勢いはどこへやらです。
 それでもようやく目的の店に着きました。わざわざ打ってもらった蕎麦を食べながら、皆の自己紹介を始めとして、いろいろな話で盛り上がりました。この時になってアイヘーとじっくり話しをした私の中に、再会の喜びがジワジワーっとこみ上げてきました。それでね、私とアイヘーが一番年下というこのクラブのオジサン達は、怪しいオジサン達ではありませんでした。もんのすごくイカしたオジサン達だということがわかりました。そして私の中で忘れていた何かを完全に思い出させてくれた、素敵なオジサン達であることも付け加えておきます。
 素敵な出会いをありがとうございました。
 諸君、自転車って楽しいねー! 


友達は悲しみを半分にしてくれる

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