112 11月05日

・・・・・・。 

 さ、たまには週末のおバカ話を復活させます。いいのかなー、コレ。
 私の通っていた○學院という大学は、警備員のおじさんに、「はい、気をつけて帰ってくださーい」 なんて追い出されるのが常でした。部活が終わるのが夜の9時過ぎ、10時頃までには部室兼練習室を出なければならなかったのです。その日はリサイタルだか学園祭だかの後で、普段通りの練習メニューをしなくても良い日でした。
 「おーい、今日はもう呑んじゃうか」 「そうだな。ポン酒(日本酒)もたくさんもらったし」 「今日は 『や○がた(渋谷中央街にある行きつけの居酒屋)』行かないでここで呑(や)るか」 「よし、そうしよう」 「おーい、コップコップ」 「じゃ、オレ何かツマミ買ってくるわ」 「よし、まずはこのビンから空けるか」 「かんぱーい」 「んめーなぁ」 ・・・・・・。
 地下にある30畳程の練習室の床で、車座になって十数人での宴会が始まりました。どういうワケか音楽をやっている連中というのは、変なヒトが多いようです。ウチのサークルの連中もご多分にもれず、呑むとだんだんと着ぐるみを剥(は)いでいきます。靴下、ズボン、シャツ・・・。全くおかしなヒト達です。水分を摂(と)っているため、自然と用足しの回数が増えていきます。そのうちに、建物の一番奥めいた場所にあるトイレに行くのも面倒になってきました。
 「なんだ、ここに丁度いいモノがあるぢゃないか」 「え“!それは駄目でしょう」 「口が小さいからうまく入らないって」 「いや、意外と丁度いいかも」 「へーきへーき。ほーら、このパンフレットを丸めて・・・」 「あ”!なんてことするんですか!」 「なにって、こうしないとこぼれちゃうぢゃないか!」 「ジョウゴの役目だ!」 「や、やめてください!」 「よーし!やっちゃえ!」 「あ、オレもやろうっと」 「まじかよ」 「早くしてくれー」 「ああ・・・」 「よ〜し」
     『じょろじょろじょろじょろじょろ〜〜〜〜』
 「よ〜し、次オレ」 
     『じょろじょろじょろじょろじょろ〜〜〜〜』
 「んじゃ俺もやっちゃうぞ〜!」 
     『じょろじょろじょろじょろじょろ〜〜〜〜』
 「あ、そろそろ警備員が来る時間だぞ」 「うーん、帰るのも面倒だな」 「朝までずーっとここで呑んでるか」 「それもいいな」 「よし、みんな静かにしろ!」 「電気消せ、電気!」
 ――――――静寂に包まれた地下の闇で息を押し殺す。『コツ、コツ、コツ、コツ・・・』 次第に近づいて来た足音が俺たちの部屋の前で止まった・・・。『ガチャッ』 ドアノブがひねられたその瞬間、一筋の光が静寂の闇を切り裂いた。それをよける様、更に身を低く構えた――――――
 「あ〜れぇ〜?だ〜めだよ。早く帰らなくちゃぁ〜」
 東北訛りで喋りながら、懐中電灯を片手に持った警備員が蛍光灯を点けました。そこにさらけ出されたのは、パンツ一枚で体育座り(姿勢を低くしているつもり)をしている我々です。情けないったらありゃしない。
 一升瓶は一週間ほど放置されていたような・・・。
 そっちの方が問題だ。
 良い週末を。   


人の考えていることわかっちゃたらつまんねーよな

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