160 02月02日

8。 

 短縮時間割やら入試の準備やらで、慌ただしかった先週の金曜日、実は私にとっていろいろなことを考えさせられた日でした。
 朝食しか食べないという生活スタイルの私は、昼休みは教室でお茶を飲んでいるのが常(つね)でした。先週の金曜日は、諸君と過ごす最後の昼休みとなったため、朝食を摂(と)らずに出勤し、諸君と一緒にメシを喰おうと 「カツカレー具だけ大盛り1000円分」 を教室に持ち込みました。カレーの具と引き換えに、「先生、じゃこれ食べていいよ」 と、親御さんの作ってくれたお弁当のおかずやサンドイッチやおにぎりをいただきました。
 私自身、家庭で母の作った食事は食べているものの、「親御さんの作った弁当」 というものは、学生時代を最後に食べていなかった(そりゃ 「妻の作った弁当」 といったものを食べていた時期もあったけどさ・・・)ということもあって、久しぶりに食べるそれらお弁当の美味しかったこといったらありませんでした。
 味はもちろんのことですが、それ以外に、「親→諸君→私」 という図式であらわされる気持ちが入っていたからでしょう。矢印のところの気持ちは、「どうか美味しく食べてくれますように」 でしょ。美味しさ分けてくれてありがとうございました。ごちそうさまでした。人間の味覚ってのは味以上に、気持ちが大きいのだな。考えちゃったことひとつめ。「もっと諸君と一緒に、食べていればよかったじゃん」 です。お弁当を分けて欲しいからではありませんよ。
 その日の放課後、普段はさっさと帰ってしまうのですが、一高新聞の原稿を書いてくれたI君がいました。一緒に帰る約束をしていたであろう友達も、電車を遅らせて待っていてくれました。そんな状況の中、原稿を書いてもらいながらの、他愛(たあい)のない会話から生まれる笑い・・・。コレがなんとも楽しいものでした。んで考えちゃったことふたつめ。「放課後って大事だよな。もっと有効に使えば良かったな」 です。
 更にその後の時間です。いつものようにグラウンドでサッカーをやっている何人かの諸君がいましたよね。その諸君を見ながら、「サッカーか、俺も高校の頃は好きだったなぁ・・・」 なんてことをぼーっと考えていました。寒い中だというのに楽しそうにボールを追っている諸君です。んで、考えちゃったことみっつめ。「なんだよ、一緒にサッカーすればよかったじゃん」 です。そして、「今日が最後の放課後サッカーになるのかもしれないんだな、楽しめよ」 とエールを送っていたのでした。
 今となってはもう遅いのですが、この考えたこと三つを今までやってきていたとしたら、もっともーっと諸君との距離が縮まったのではないかな、と切々と感じてしまったのでした。「別にタクと近づきたくねーもん」 と言われちゃえばそれまでですが、私は近づきたい年頃なのでした。
 諸君と一緒にいられる残された時間を、更に大切にしていきたいと思います。
 試験2日目。もっと走れ。 


You must crawl before you walk

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