022 05月13日

シャケナベイベー。 

 今日から高校総体です。皆頑張ってください。こちらは過去に書いた原稿で行きます・・・。んが、たまらないんだなコレが・・・。

 3500円程のディナーに招待されたとします。オーダーを聞きにきたウェイターに、「メインディッシュはお肉かお魚の、どちらにいたしますか?」 と問われたら、大方の諸君は、「やっぱ肉でしょ」 と肉のコースを選ぶと思います。ところがトシ取ってくると、自分も含めて、肉よりも魚を選択するヒトが周りに増えてくるのです。
 カラダが老化して、胃酸の分泌量(ぶんぴつりょう)が少なくなったり、各消化器官が衰(おとろ)えたりして、肉料理を食べると体に負担がかかるから、魚を食べるようになるのだ、というハナシを以前どこかで聞いたことがあります。私にもそういった理由があてはまるのかもしれませんが、味を考えた上で、「魚で」 と答えてしまう私がいることはまちがいありません。魚って本当にウマイと思います。
 サカナ君(最近見かけなくなったな)程ではありませんが、魚が好きです。刺身や寿司のような、生身のサカナよりも、焼き魚が好きなのです。サンマもウマイのですが、私的には、鮭の塩焼きに軍配があがります。
 幼い頃から食卓や弁当のおかずで慣れ親しんで来た、紅色のニクイヤツは、大人になって独り暮しをしていた時も、安売りの時に大量購入して冷凍保存、毎日のように弁当に詰めていました。私にとってはごはんのオカズナンバーワンなのが鮭というわけです。
 数年前から、頻繁に(ひんぱんに=よく)通っている定食屋があります。定食屋といっても夜は割烹(かっぽう=日本料理)屋なので、店内の水槽には海の幸が泳いでいたり、壁にはスッポンの甲羅(こうら)が提げられていたりします。「味は確実」 といった証(あかし)です。
 安いということで、500円(当時)の 「鳥丼」 を毎回食べていました。ごはんの上には鶏(とり)肉です。しみ込んだ照り焼きのタレ加減、表面のパリっとした焼き加減、山椒(さんしょ)のピリっとした効き加減・・・、倍額払ったって惜しくない味です。
 いつも一緒になる初老の常連さんが、鮭塩定食ばかり頼んでいるのは、耳で知っていました。ある日、カウンターの隣に座った私の視界に、その鮭の姿が入りました。オカズの鮭として、今まで見たことの無い程、分厚くて大きな切り身でした。ふりかけられたアラ塩が程よくコゲついて、素敵に焼き上げられています。「今度食べてみるか」 そう思いました。
 次にその店に行った時、鮭塩定食を頼んでみました。待つこと20分、食べた時の感動は今でも覚えています。外側や皮はパリっとしているのに、ほぐした身は 「え?」 と、驚くほどフワっと柔らかでした。「ちゃんと焼いた鮭ってこんなにウマイものなんだ。今まで食べていたモノとは全くベツモノだ・・・」
 幼い頃から口にしていた、スーパーで売っていたり、定食屋のオカズになったりしている鮭は、あらかじめ鮭を塩でシメて切り身にし、冷凍保存したものが主な、いわゆる 「塩鮭」 です。身も硬く、塩加減も極端(きょくたん)なものが多かったりします。その店では、生で仕入れた鮭を大ぶりに切り、その後初めて塩をふり、じっくり時間をかけて焼くのでしょう。だからこそ最高の味と食感を引き出せるのだと思います。塩鮭を焼くわけではなく、塩をふって焼くので、「塩鮭」 定食ではなく 「鮭塩」 定食なのです。 まさに 「絶品」 です。さすがは割烹屋、高級日本料理を食べているのかと、錯覚さえ起こしそうです。ちなみに鮭の照り焼き定食もアリ。
 約2年間食べ続けた鳥丼を卒業しました。鮭塩定食を食べ続けて、4年目に入った私です。毎度至福(しふく=幸せ)の時を過ごしています。
 だから何なんだって?ウマイもの自慢だよ。700円也。

 うっひっひ。良い週末を。 


自分の考えは完結にはっきりと伝えよう。もし、わかってほしいと思っているなら

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