061 07月7日

七夕。 

 4年前の今日、当時小学校6年生だった諸君からみたら、5年先輩にあたる本校2年生の男子が、渡良瀬川で川遊び中に流されてしまうといった事故がありました。翌日も早朝から捜索が再開されましたが、発見された時には残念な結果が待っていました。それから毎年七夕の日には、その時に書いた原稿を、「Positive」 に載せています。しっかりと読んでください。試験が終わったからといって弾け過ぎないでくださいね。

 まだ高校2年生、終わらせるには、あまりにも早すぎる人生です。授業などで直接関わりを持つことはありませんでしたが、部活(バスケ)中の彼からは、よく 「こんにちはー!」 と挨拶をもらいました。諸君と同じ、どこにでいる普通の高校生です。
 両親が愛し合い命を授かります。母親がお腹を痛めて自らの命をかけて、諸君がこの世に生まれてきました。辛(つら)い仕事もなんのその、子供のため、将来のため、親は働きます。笑顔を覚え、言葉を覚え、あふれるばかりの愛をもらって育っていきます。やがて小学校、中学卒を卒業し、そして将来を夢見て、高校へ入学してきたはずなのです。
 諸君の世代は、親と対立したり喧嘩したりすることが多いでしょう。キレたり怒ったり、そして笑ったり泣いたり・・・、そんなことがあって今の諸君はいるのではないですか。亡くなった彼だって同じだったはずです。そうやって過ごした17年間が消え去ってしまったのです。もちろん最初から命を落とそう、なんていう気持ちのヒトはいませんし、彼だってそうだったはずです。「暑いからちょっと川遊びでもしていこうか・・・」 きっとこんな軽い気持ちだったのでしょう。
 「大丈夫だよ」 「平気平気」・・・、これらの言葉は、我々を元気づけてくれる言葉ですが、時に注意力を消してしまう言葉にもなります。冷静に考えれば、「危険だ」 「おかしいぞ」 と、わかることでも、誰かがこれらの言葉を発すると、「そっか!やっちゃえ!」 と、冷静な時のヒトが持っているはずの注意力を消してしまうのです。どのような状況下で彼らが泳いでいたのかはわかりませんが、誰からともなくそんな雰囲気になり、危険と隣り合わせの川遊びになってしまったのかもしれません。
 「命とははかないもの」 と、よく耳にします。こういったことがあると、本当にはかないものだと実感します。こんなにはかなく終わってしまって良いのでしょうか。命とは、とてつもなく重く、そしてとてつもなく大事なものじゃないのか、本当にそう感じます。諸君にだって、16年間という間生きてきた命があります。その重みだってはかりしれません。簡単に落としてよいもののはずがありません。
 諸君の生活の中にも、その場の雰囲気で、「大丈夫大丈夫」 「平気平気」 ということがありませんか?きっとあると思うのです。そんな日常の何気ない行動の中に、命に関わるような重大な行動が数多く含まれているという事実を、我々は再認識するべきです。信号無視、自転車傘さし運転、二人乗り、列車内やホームでの遊び、教室でのじゃれあい・・・、廊下を走ることだって例外ではありません。
 彼の死を無駄にしないためにも、我々は 「命」 の尊さ、大切さを再認識するとともに、いとも簡単に落ちてしまうこともあるのだ、ということを心にとどめておかなくてはなりません。おりしも事故が起きたのは七夕の日です。忘れようにも忘れることは出来ません。だったらなおさら、こういったことを忘れずに生きていくことが、今の我々に出来ることだと思います。心より御冥福をお祈りいたします。
 もう一度言います。「命」 の尊さ、大切さを忘れないでください。 

 試験最終日、最もブチ込め。 


たまには真剣に考えてみよう。「何事にもベストを尽くしているだろうか?」と

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