086 09月15日

0(ゼロ)のままではいられない。 

 昨日の6時間目は授業の無い時間でした。職員室でぼぼーぉーっ、としていた私に学年主任のTツミ先生が、数年前にストック(新聞や雑誌等で気になった記事を切り抜いて保存しておくこと)した素敵な新聞広告を見せてくれました。その広告には、作家の伊集院静(いじゅういんしずか)さんが、4月からの新社会人のために書いたメッセージが載せられていました。まずはそれを原文のまま紹介します。

 『新社会人おめでとう。この春、君はどんな職場に立っているだろうか。どんな職場であれ、そこが君の出発点だ。君の本当の人生がそこからはじまるんだ。学業優秀ではなかった?エリートなんて高(たか)が知れている。先輩達はそんなもの期待なんかしちゃいない。出発の君は0(ゼロ)だ。0はイイ。これから何だってできるし、何にだってなれる可能性の0だ。無限大にむかう0だ。皆、0からはじめたんだ。すぐ1に、2になる必要はない。本物の仕事は、そんな簡単なものじゃない。すぐに役立つものはすぐに役立たなくなる。真の仕事には、強く、ゆるぎない心棒(しんぼう)がある。その心棒は君が生まれてこのかた触れたことがない、熱い温度を持っている。そのぬくもりを、熱さを、こしらえているのは人間だ。世界を、国を、社会を前に進めてきたのは、その情熱だ。情熱の源(みなもと)は何だろう?私は誇りだと思う。人間の誇りが苦しい時も辛(つら)い時も、心棒を握りしめ車輪を押し続けたのだ。君は仕事に誇りを持てるか?それをしっかりと見つめることだ。まずそこからはじめよう。誇り高き0でいて欲しい。0は時折(ときおり)、せつないが、そんな時は一杯のグラスにウイスキーを注(そそ)いで飲み干そう。』

 どうでしょう。あ、最後の一節はあまり気にしないでください。わっはっは。察しの通りコレは某(ぼう=とある)酒造メーカーの広告なんだな。この広告文を読んだ私の率直(そっちょく=素直)な感想は、「早く帰って呑みたいぞ」 てなモノでした。てなワケで早速呑みながらコレを書いている私でした。あ、諸君の中に私と同じ思いを抱いてしまったヒトがいないコトを祈ります。
 このメッセージの、「新社会人」 を 「高校生」、「職場」 を 「高校」、「仕事」 を 「生き方」、「ウイスキー」 を 「ライフガード」 とか 「ファンタ」 とかに代えて読んでみると、諸君にどっぷりとハマるメッセージに変わります。
 そんなワケで、4月に1年1組として高校生になった時を思い出してください。その時の諸君は間違いなく、0(ゼロ)の高校生の諸君だったはずです。コレを読んでいる今は、高校生としてもう86日目の登校を済ませている諸君です。まだ0ですか、それとも1や2になっていますか。今週の 「Positive」 でもハナシをしましたが、諸君は将来の職のイメージをしなくてはイケナイ時期にきています。0(ゼロ)のままではいられません。
 あ、そういえば今日の1限はそのTツミ先生の授業じゃないですか。0にとどまらない方法をいろいろと聞き出してくださいな。んね。
 頼むぞ。
 ぢゃな。 


身近な人と話すときは十分に思いやって。思いやりこそが、人と人との関係をスムーズにしてくれる潤滑油なのだから

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