132 11月28日

空桶。 

 さ、今週も始まっちゃいました。1週間って早いのね。昨日はアルト君とスカイラインちゃんのタイヤを冬用に交換しちゃいました。おねーちゃん曰(いわ)く、「アウトレットタイヤだっけ・・・?」 違うっつの、スタッドレスタイヤだってば・・・。
 先週の放課後、1組全員を残さなければならなくなった原因のカラオケのハナシをします。諸君の大半がカラオケデビューを果たしているかと思いますが、はっきり言って早すぎます。ま、私が15、6歳の頃にゃーカラオケボックスなんて存在していませんでしたし・・・。
 私のカラオケ初体験は、母校の中学で夜間警備や生活実習の手伝いをやっていた大学生の頃でした。酒好きな先生方(もちろん恩師)と居酒屋でよく飲んでいました。そうしていると、「よーし、つぎ行くぞ、つぎ!」 のお決まりフレーズで、スナック(うーん、なんともいえないヒビキだな。オヤジ臭さ炸裂(さくれつ)!)という所に連れていかされました。そこでとうとうカラオケを・・・・・・、ついでにスナックも初体験。
 通信だの何だのとよくわからないシステムで、毎月の新曲がどどどーっと配信されて、モニター画面を見れば歌う速さで歌詞の色が変わって、歌うパートも色分けされていて、テンポやキーも変えられて、歌い終われば採点してくれて、リモコン使って何曲も予約できて、数百円でフリータイムがあって、電話一本で飲食物持ってきてくれて、・・・・・・、なんてモノをカラオケというのが今の世の中ですが、その当時は違いました。
 エイトトラックといったカセットテープのオバケみたいなヤツに、8曲のカラオケが入っています。歌本から曲を選んで、スナックのママに頼むと、「はいはい、ちょっと待ってねぇ〜」 といいながら曲の入ったカセットを探して、機械にガシャっと入れてくれます。歌詞が流れる画面はなく、譜面台にのせた歌本の歌詞を見ながら、流れてくる音にあわせて歌います。エコーをばりばりに効かせて、ママとデュエットて 「銀恋」 なんか歌っちゃったりしたら、完璧なおじさんの出来上がり・・・・・・。(「銀恋」 がなんだかわかるかな?)
 ・・・・・・て、そういうハナシではありませんでした。ま、そんな時代にカラオケ初体験をした私がいます。歌を歌うのは嫌いではありませんが、ソロで人前で歌うなんてことはしたことがありません。「いや、結構です」 「嫌ですよぉ〜」 と柔らかに断っていたのですが、相手は私以上の酔っ払いで、しかも恩師、そのうち半強制的に歌わせようとしてきました。
 「ぐぐぐ、そうか、そこまで歌わせようというのなら歌ってやろうじゃないか、思い知らせてやるぞ!」 モードになった私は、ママに曲名を告げると、マイク片手にスナックの小さなステージにヌィッと立ちました。物静かなピアノのイントロが流れる曲です。ナニ気にしっとりモードです。「ちゃららら〜ん、ちゃんちゃんちゃんちゃん・・・」 と、ピアノがだんだん盛り上がり、歌が始まります。
 『ドンッ!(足を床に振り下ろした音)』 「あんたぁにぃ〜、あげぇぇぇぇぇぇぇぇ〜たぁ〜、愛のぅぉぉぉ〜、日々うぉぉぉ〜」 『ドンッ!』 「いまさらぁぁぁ〜・・・」 『ドンッ!』 「返せぇぇぇ〜・・・」 『ドンッ!』 「いわなぁぁぁ〜いわぁぁ〜」 『ドンッ!』  ・・・ 『ドンッ!』 ・・・  『ドンッ、ドドドドンッ・・・』 ガシャーン、パリーン・・・・・・
 その昔(諸君が生まれる前という大昔)ヒットした世良○則&ツ○ストというバンドの曲を、ボーカルのヒトと同じアクション付きで歌ってやりました。しっとりモードは何処へやら・・・・・・。テーブルは揺れ、グラスは割れ・・・・・・。
 私に歌わせたらヤバイということを、思い知らせることが出来たようです。
 「カラオケ=ボックス=ワカモノ」 ではなくて 「カラオケ=スナック=オヤジ」 の頃のオハナシでした。
 試験まであとわずかです。
 ぢゃな。 


やらずに後悔するより、やって後悔する方が何倍もいい

BACK