140 12月09日

お馬鹿でGO。 

 4月に諸君の担任になった時、自己紹介を含めてこのハナシをしたかと思いますが、とても大切なハナシなので、週末のお馬鹿話でGO!ってーコトで再度お伝えいたしますっての。 

 大学時代、所属していたJAZZ研週三回の呑み会の後は、必ずといってよい程後輩Iのアパートになだれ込んでいました。後輩といっても年齢は私の1歳上、5年浪人してから入学してきたので、「ゴロウ」 なんて呼ばれていた彼のアパートは、私の家の隣の駅にありました。帰ればいいじゃないか、といわれそうですが、歯ブラシや着替えを置いて、さながら別荘のように使っていた私です。
 そんなことを繰り返していたある夏の日、空腹になった私達は近所にある外食産業超大手のマク○○ルドにハンバーガーを買いに行こう、ということになりました。歩いて数分の店舗は、国道246号線沿いということもあり、ドライブスルー完備の立派な店舗でした。
 「ドライブスルーって車で行かないと買えないのか?」 「そんなこたないだろう、テイクアウトにゃ変わりないんだから平気でしょ」 「そうだよな」 「でも・・・」 「あ。」 「なに?」 「車のフリして買ってみよう」
 一同合意の上で、運転席、助手席、後席には二人というフォーメーションを組み、いかにも車に乗ってますよーってな感じを出すために中腰になって、我々はドライブスルーのカメラの前にすすすーっと登場しました。運転手は私。両手を前に突き出し、いかにもハンドル握ってますよ、という首だけ曲げた姿勢でカメラを見ました。
 「いらっしゃいませ、ご注文どうぞぉ」 「えーっとぉ、ビッグ○ック・・・」 「あ”っ、お客さん危ないのでやめてください!」 「え、?ナニガデスカ?・・・それとポテトのLサイズ・・・」 「お車のお客様専用ですので、そうでない方にお売りするはことできません!」 「え”っ、車乗ってるじゃないですか、なぁ、みんな?(一同:そーだそーだ)見えませんか?」 「見えません!とにかく危ないのでやめてください!」 「だから危ないもなにも車ですってば!」 「お客様、ふざけないで下さい。危険ですから!」 「ぢゃぁちゃんとした車に乗って来ないと、売ってくれないってゆーんだ?」 「いや、お客様はどうぞそのまま店内カウンターでどうぞ」 「いや、ぢゃーいいです!もう!」
 実は私とこの場にいた友人Fは、この外食チェーンの他の店舗での、深夜清掃アルバイトの経験者です。昼間のアルバイトのおねぇちゃんに負けてたまるか、というワケのわからないプライドがあります。即刻友人Fの車に乗り換えて、私達は再びカメラの前に登場しました。
 「いらっしゃいませ、ご注文どうぞぉ」 「これでいいですか?売ってくれますよね?(一同:そーだそーだ、車だぞ、見えるかー!)」 「・・・、ぷ、は、はい大丈夫です」 「じゃーねー・・・ビッグ○ックと・・・」 「はい、承りました。お客様、最初からこうして来ていただければ・・・」 「最初から車で来ていたじゃないですか」 「いや、本当のお車で・・・」 「本当の車で来ていましたよ・・・」(←しぶとい)
 後輩の家でハンバーガーをむさぼり食う私達は、くだらないことながら、何かをやり遂げたという満足感に包まれていました・・・・・・。
 
 ね、大切でしょ。どこがって?どこなのでしょう・・・。
 良い週末を。
 ぢゃな。 


人間、無理だとわかっていても、やらなきゃいけないこともあるんだよな

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