144 12月15日

あきらめるな。 

 中学校の時にバンドを組んで、文化祭の時に初めてヒトの前で演奏して・・・なんていう話はすでにこの学級通信上で書いたことがあるので、諸君は知っていますよね数年前、その面々4人が楽器持って集まって、オールナイトで音楽スタジオに入ったことがありました。
 何をやったかというと、とりあえずはぶっつけ本番打ち合わせなしで、中学校の文化祭ステージの再現です。結果は当然ボロボロ。曲なんだか子供がいたずらして楽器触ってんだか、なんだかよくわからないモノでした。呑みながらだったしね。
 スタジオ終了後、恒例(朝まで呑んだ後は必ずやるのだな、変なヒト達)の反省会を、牛丼屋でしている時に、やはり音楽をしっかりと続けていれば良かったのではないかという話になりました。中学校の文化祭をきっかけに、音楽を通して感動を与えたりもらったりするとういう魅力にとりつかれてしまったというのは、4人とも共通していました。ですから、皆それぞれ違う高校に進学した後も、新しいヒトともバンドを組んで音楽を続けていました。大学に入学した後も、それぞれが音楽を続けていきました。けれども大学を卒業した後、皆音楽の道から離れていってしまったのです。言い換えると、音楽中心の生活から、仕事中心の社会人生活になっていったのです。
 許されることであれば、皆音楽で仕事をしていきたかったという希望を持っていました。ところが現実はそう甘くはありませんでした。大好きな音楽を仕事にできるというのは、本当に限られた人間だけだと思っていたのです。
 K玉が選んだのは大手家電会社です。T口が選んだのは国内人気bPの遊園地を経営している会社です。N野が選んだのは出版社です。そして私が選んだのは教師でした。そして約11年の月日が経ってその時の私達がいました。そして私たちは、夢をあきらめてしまった 「格好悪い中年」 になっていたことに気がついたのです。それでもって朝から牛丼屋で酒呑んでいるのですから、更に格好悪いったらありゃしません。
 実は高校や大学時代を通じて、一緒に音楽に熱かった友達で、夢をあきらめずにひたすら音楽を仕事にしようと努力を続けていた友達は、ほぼ音楽でメシを食い始めています。編曲家、作詞家、作曲家、ゲーム音楽家、音楽プロデューサー、ミュージシャン・・・、自分でギター製作会社を創ってしまった奴もいます。皆、なにかしらの形で音楽が職業になっているのです。私達4人と比べたら、めちゃくちゃに 「格好良い中年」 になっています。
 そんな友達をうらやましいと思いながら、「俺達もさー」 なんて酒呑んでいる私達は、やっぱり格好悪かったのでした。その時、自分で決めた目標に関しては、途中であきらめたり、逃げ道を見つけたりしないで、コツコツでも良いから達成に向けて努力していくことの大切さを改めて知ったのです。
 諸君はまだ16歳です。私が熱かった頃とほぼ同世代です。上に挙げた、何人かの夢や目標をあきらめなかった友達は、今でも高校生当時の気持ちを忘れていないはずです。諸君の中にもし、熱い気持ちを持っているヒトがいるのであれば、どんなことがあっても、その気持ちを忘れないようにしてもらいたいと思います。
 「できればいいな」 というのは目標ではありません。「絶対やってやる」 というのが目標なのです。
 牛丼屋でなげくような中年にならないように。
 ぢゃな。 


どんな道を選ぶかではなく、選んだ道でどれだけやるか

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