186 03月06日

決戦3日目。 

 さ、今週も始まっちゃいました。試験も3日目です。トキメモやっている場合ではありませんよ。それはさておき、どうやら試験中の諸君はこの学級通信をしっかりと読んでくれていないようなので、今日はどうでもいいというか、くだらないというか、え、そんなこと書いちゃっていいの、という感じのネタを載せちゃう。
 私が入っていた○學院大学のジャズ研究会という部活は、練習の後、警備員のおじさんに、「はい、気をつけて帰ってくださーい」 なんて追い出されるのが常(つね)でした。部活が終わるのが夜の9時過ぎ、10時頃までには部室兼練習室を出なければならなかったのです。その日はリサイタルだか学園祭だかの後で、普段通りの練習メニューをしなくても良い日でした。そんな夕方6時頃・・・。
 「おーい、今日はもう呑んじゃうか」 「そうだな。ポン酒(日本酒)もお祝いでたくさんもらったし」 「今日は 『や○がた(渋谷中央街にある行きつけの居酒屋)』には行かないで部室で呑(や)るか」 「よし、そうしよう」 「おーい、コップコップ」 「じゃ、オレ何かツマミ買ってくるわ」 「よし、まずはこのビンから空けるか」 「かんぱーい」 「んめーなぁ」 ・・・・・・。
 地下にある30畳程の練習室の床で、車座になって十数人での宴会が始まりました。どういうワケか音楽をやっている連中というのは、脱ぎたがり屋が多いようです。ウチの部活の連中もご多分にもれず、呑むとだんだんと着ぐるみを剥(は)いでいきます。靴下、ズボン、シャツ・・・。全くおかしなヒト達です。アルコールという形の水分を摂(と)っているため、自然と用足しの回数が増えていきます。そのうちに、建物の一番奥にあるトイレに行くのも面倒になってきました。日本酒の入っていた一升瓶も、空き瓶となって床に転がっています。
 「なんだ、ここに丁度いいモノがあるぢゃないか」 「え“!それは駄目でしょう」 「口が小さいからうまく入らないって」 「いや、意外と丁度いいかも」 「へーきへーき。ほーら、このパンフレットを丸めて・・・」 「あ”!なんてことするんですか!」 「なにって、こうしないとこぼれちゃうぢゃないか!」 「ジョウゴの役目だ!」 「や、やめてください!」 「よーし!やっちゃえ!」 「あ、オレもやろうっと」 「まじかよ」 「早くしてくれー」 「ああ・・・」 「よ〜し」 『じょろじょろじょろじょろじょろ〜〜〜〜』 「よ〜し、次オレ」 『じょろじょろじょろじょろじょろ〜〜〜〜』 「んじゃ俺もやっちゃうぞ〜!」 『じょろじょろじょろじょろじょろ〜〜〜〜』
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 「あ、そろそろ警備員のおじさんが来る時間だぞ、どうする?」 「うーん、帰るのも面倒だな」 「朝までずーっとここで呑んでるか?」 「それもいいな」 「よし、みんな静かにしろ!」 「電気消せ、電気!」

 ――――――静寂(せいじゃく)に包まれた地下の闇で息を押し殺す。『コツ、コツ、コツ、コツ・・・』 次第に近づいて来た足音が俺たちの部屋の前で止まった・・・。『ガチャッ』 ドアノブがひねられたその瞬間、一筋の光が静寂の闇を切り裂いた。それをよけるために俺たちは更に身を低く構えた――――――

 「あ〜れぇ〜?だ〜めだよ。早く帰らなくちゃぁ〜」
 東北弁訛(なま)りの警備員が懐中電灯を片手に蛍光灯を点けました。そこにさらけ出されたのは、パンツ一枚で体育座り(姿勢を低くしているつもり)をしている我々です。情けないったらありゃしません。問題アリです。仕方なく帰った我々でしたが、液体がたっぷりと入った一升瓶は、その後練習室に一週間ほど放置されていたような・・・。
 そっちの方が問題だ。
 試験3日目。もっと戦え。
 ぢゃな。 


経験して悪いことは何もない

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