069 07月19日

夏だ。 

 高校2年の夏休み、友人同士で初めての旅に行きました。行き先は長野県穂高町です。友人の親戚所有の別荘とはいえ、小学校からの友人同士の貧乏な旅です。(注、本校は生徒同士の無断外泊などは禁止ね)大柄な長髪のむさくるしいのが2人(1人は私)、無精ひげを生やした格闘家系が1人、常に10歳は年上に見られる系が1人、動物系が1人という、今の私だったら絶対に近づきたくないと思う5人の集団です。
 列車は夜中の12時に新宿駅を出て、朝6時頃に松本駅に到着する一番安い各駅の夜行列車です。登山シーズンということで混雑している中、発車2時間前から駅構内に座り込んで、オイシイモノを飲みながら待っていました。さぞかし嫌な集団に見えたことでしょう。
 景色が見えないこともあり、列車の中ではいろいろと語りました。夜が明ける頃停車した駅で、車窓から 「高原弁当」 なるものを購入、さわやかな朝の風を受けながら食べた弁当の味は、いまだに忘れられません。あー、もう一度食べたい。
 松本駅で乗り換えをして、穂高駅に到着、目指す別荘は駅から6キロ程度離れているので、我々は迷わずタクシーに乗りました。気分だけはリッチな4日間の別荘ライフの始まりです。
 さて、4日間の食料を買い込まなければなりません。どう見ても別荘周辺にしれらしき建物はありません。我々は探検と買い物を兼ねて、再び駅へ戻ろうという結論に達しました。当然歩きです。
 暑い、とにかく暑い。樹木の近くは驚くほど涼しく、さすが避暑地と思いきや、先程タクシーで通ったアスファルトの上は、目玉焼きでも焼けるのではないかという位暑い、というか熱いのです。自然と上半裸で歩くむさ苦しい集団となりました。それでも許されてしまうというのが、旅の開放感と若気の至りなのでしょうか。
 1時間以上歩いてようやく駅に到着、食料とオイシイモノを買い込み、再び歩き出しました。皆の両手には荷物があります。我々はテレビで見たことのあるヒッチハイクに挑戦することにしました。通過する車目がけて親指を立てます。するとどうでしょう、車が止まってくれるのです。
 見事2台の車に分乗し、別荘に帰り着きました。その後は、毎回ヒッチハイクで用が足りました。地元のヒトも、観光客のヒトも、乗せてくれてはいろいろと話をしてくれるのです。まだまだ人間捨てたもんじゃない、人情って良いものだな、と高校生ながら感じた瞬間でした。
 さて、別荘では男5人が初めての家事と格闘していました。洗濯当番・風呂当番・食事当番とローテーションを組んで取り組みます。中学校や高校で実習のなかった我々にとっては、何から何まで初めてだったのです。私的には、スパゲティーを茹でたということが初めてでした。そういえば友人のパンツを洗うのも初めてだったけども、友人にパンツを洗われるのも初めてでした。
 温泉郷から温泉をひいている関係で、風呂の湯は温泉です。暇さえあれば、日に何度でも風呂に入りました。男所帯ということもあり、そのうちに衣服を着用するのが面倒になります。生まれたままの姿で別荘内を歩き回る男子高校生達がいました。ブラブラとなかなか気分爽快なものでしたっけ。

 さ、もうすぐ夏休み。うまく計画をたてれば↑のような、夏ならではの経験も出来るはずです。カウントダウンは3です。
 ぢゃな。 


夜よく眠れるように昼間よく働く。昼間よく働けるように夜よく眠る

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