074 08月29日

24時間テレビ。 

 さ、今日から普通授業開始です。ついて行けるかなぁ・・・、自分で不安です。
 そういえば先日は24時間テレビなんてモノをやっていましたね。実は思い出話があります。
 こんな夜中なのにテレビやってるよぉ・・・、日本全国で昼夜を問わず会場を設置して募金活動をおこなっているなんて凄いなぁ・・・、そんなことを考えながら眠い目をこすり、24時間テレビの画面を見ていた中学生の私でした。
 私もそうですが、友達もこの番組をきっかけに、ジュースの大型ボトル(当時は今のようにペットボトルなんてものは無い。「ホームサイズ」 なんて呼ばれていた1リットルのガラス瓶。重い・・・)に小銭を集め始めました。もちろん目標は翌年の24時間テレビに持っていくことです。そして1年後、再び24時間テレビの季節がやってきました。
 夕方、友達数人と小銭のつまったボトルを手に、会場の日本武道館に向かうべく駅に集まりました。なんだかいつもより電車が混んでいるような気がします。周りのヒト達皆が、日本武道館に行くように思えてなりませんでした。
 「早く行かなくっちゃ。これ渡す時に河合奈保子(かわいなおこ=わからないでしょ。当時のアイドルだ)ちゃんと握手するんだもーん」
 我々の目標は募金そのものではなかったような気がします。てか、目標は奈保子ちゃんです。「日本武道館のステージで、募金を手渡しながら握手をする」 これが目標でした。
 電車に揺られること約1時間、武道館近くの駅に到着した我々が見たものは、小脇に小銭の入ったボトルやら貯金箱やらを抱えたヒトヒトヒトの波でした。
 「あ゛〜〜〜っ。早く行かないと奈保子ちゃんが欽ちゃん(当時はメイン司会が萩本欽一さんだった)に変わっちゃう」 「欽ちゃんでもいーじゃないか」 「欽ちゃんじゃ駄目だ」 「そうだよ、奈保子ちゃんだよ」 「早くしないと欽ちゃんすらいないかもしれないぞ」 「徳光さん(当時の日テレアナ)だけとか?」  「福留(当時の日テレアナ)さんかもしれないぞ」 「どっちもいかーん!」 「いぞげー!」
 ヒトの波の間を縫(ぬ)うように我々は武道館へと突き進み、ようやく入場しました。案の定、ステージに程近い席は満席で、私達が座れたのは2階スタンド席(実質3階)でした。欽ちゃんや徳光さんの小さいこと小さいこと、豆粒ほどの人間って本当にいるのですね・・・・・・。
 そこから見下ろしていると、ステージ上に、豆粒ほどの大きさの奈保子ちゃんが登場しました。
 「出たー!」 「今だー!」 「よーし、いくぞー!」 「うおー!」
 我々はステージに通じる通路を突進したのですが、結局、長蛇(ちょうだ)の列の一部と化してしまいました。それでも、数分間に数歩ずつ、着実にステージが近づいているのがわかります。ようやく1階アリーナフロアへたどり着きました。ステージ上には、豆粒からタマゴほどの大きさになった奈保子ちゃんがいます。
 黄色いTシャツを着た奈保子ちゃんがジワジワと近づいてきます。我々の鼓動(こどう)は高まり始めました。ようやく、フロアからステージへと続く階段にさしかかったその時です。
 「ありがとうございましたぁ〜。奈保子ちゃんはお帰りでぇ〜す!」 
 アナウンスとともに笑顔で消える奈保子ちゃん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 数分後、ステージに出てきた番組スタッフへ募金を手渡す我々がいました。
 あなわびし。悲しき中坊軍団のハナシはつづく・・・・・・。 


自分や世界を変えようとする前に、いまかけている眼鏡を替える

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