082 09月08日

レンタル創生期。 

 昨日の続きを載せようと思ったのですが、気がつけば週末だったので、お馬鹿話でGO!にします。
 実は今をさかのぼること22年前、浪人中の私は塾講師のバイトの傍(かたわ)らで、友人2人と一緒にレンタルビデオショップ店員のバイトをしていました。とはいってもまだ新規開店していない段階です。お店造りから始まりましたから、最初は店員というよりも内装屋さんといった感じでした。VHS式のビデオとβ(ベータ、知らないよね)式のビデオの二種類がほぼ平行して普及していましたから、同じタイトルでそれぞれを用意しているような時代でした。てか、レンタルビデオ自体が珍しかった時代です。しかもレンタル料金は2泊3日で1200〜1500円・・・、当時の相場はこんなものでした。1000円出せば、4本1週間レンタルできるような現在と比べたらべらぼうに高いですね。
 開店まで1週間ほどの頃、「今日はキミ達に宣伝活動をしてもらうよ、終る時間もちょっと遅くなるかもしれない」 と言われました。その言葉にちょっぴり不安と期待を抱きながら、日が暮れた頃 「よーし、じゃー行くか!」 ということで出発しました。店の外には荷台いっぱいに捨て看板(電柱によく立てかけてある蛍光色の看板)を積んだ怪しいトラックと乗用車が停まっていました。
 日の暮れた住宅街の中、乗用車に先行されたトラックの後ろを小走りで追いかける我々がいます。電柱があるとそこで止まり、荷台から看板を取り、さささーっと電柱にくくりつけます。その間数十秒・・・、そして次の電柱まで小走りです。めちゃくちゃに怪しい一団です。そういえばどこかから借りてきたようなそのトラックのドアには、借りてきた先の会社名を隠すようにガムテープが貼られていました。
 「なんでガムテープはってあるんですか?」 「あったりめーじゃねーか、公共物(電柱)にものひっつけていいはずないだろ・・・。今日はバイト料はずむからな、頼むよ!」 後先考えない若者の性(さが)なのでしょうか?我々3人はひたすら看板をくくりつけていました(半ば強制・・・)。
 私の後で作業をしていたハラ君が小走りにかけよってきて 「やばい、いくぞ!」 と声をかけて通過していきました。後ろの方で 「キミ達、何やっているんだ!」 と声がします。私も走り始めました。 「はやく、こっち乗れって、はやく!」 乗用車から声が聞こえてきます。走りました。時間が無いと判断したのでしょうか、私の前方で作業していたコダマ君が電柱に寄り添うように隠れているのが視界に入りました。しまった、その手があったか・・・、と思いながら、更に走る私がいます。フォレストガンプ・・・・・・。
 息を切らしながら、身体半分乗用車に乗り込んだ時です、左足をつかまれました。「まちなさいって、こらーっ!」 そこには自転車と一緒に転倒しながら、私の足を必死でつかんでいる若いおまわりさんがいました。「あ、カンバンは」 と挨拶しようと思いましたが、状況が状況なのでやめておきました。
 結局、ただのお手伝いをしていた未成年の我々は無関係ということで、警察署に連れて行かれたのは社長でした。我々は開店準備中の店内で、ビデオ観ながらお菓子食べて社長の帰りを待っていました。結局朝まで帰ってきませんでしたが・・・・・・。
 そりゃー東京の田園調布なんていう高級住宅街で、↑のような怪しい行動をやっていたら目立つってーモノです。誰かが通報でもしたのでしょう。
 諸君はこういった怪しいことに巻き込まれないように過ごしてくださいな。
 良い週末を。
 ぢゃな。 


人のこころなんて読めなくていい。でも、人のこころが感じられたらとてもいい

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