119 11月2日

続、撃沈君。 

 さて週末。先週末の続きです。そうそう星空の下、肩に星が付いているヒトに起こされた私でした。

 見知らぬヒトの車に乗ってはイケマセン、と子供の頃に教えられましたが、自分がどこの路上で寝ていたのかわからない状態だったので、言われるままに乗ってしまいました。ウチの近所のスーパーの名前を告げると、「ああ、あそこね」 と即座に理解してくれました。タクシーでもないのに地理にとても詳しいヒト達です。ってあたりめーか・・・・・・。
 すぐに私のウチに着きました。そして、玄関の扉を開けようとした瞬間・・・・・・、いつも片手に持っているハズのカバンがないことに気がつきました。「うあぁぁぁぁぁぁ〜〜〜!やっべぇ〜〜〜!」 顔面の血の気が一気に引いていきました。なにしろ酔っ払ってモノや記憶をなくすなんてことは、それまで一度たりともしたことがなかった失態ですから。
 腕時計に目をやると、針は10時半をさしています。記憶のオシマイは宴会場で時計を見た7時半ですから、約3時間の記憶が飛んでしまっています。即座に近所に住む同僚O(オー)を思い出しました。同期採用のOとは、ほぼ毎日一緒に通勤しています。『Oなら何か知っている、いや、きっと酔っ払ってしまった私のカバンを預かってくれているに違いない、きっとそーだ!よくやったぞO!』 と思いながら、自転車全速でOのウチに駆けつけました。ピンポ〜ン、ピンポ〜ン・・・・・・。何度も呼び鈴を鳴らすと、どうしたんだ、という眠たそうな顔でOが出てきました。
 「夜中にすみません。あのぉ・・・、私のカバン持ってませんか・・・」 「え“っ!サイトウさんも?実は私もカバンがないんですよ・・・・・・」 「は、どど、どういうことですか?」 「いや、はっと目が覚めたら宴会場のトイレでしゃがんでたんです。いかーん!と思って急いで出たのですが、もうおばさん達が後片付けをしている会場が・・・」 「そ、それで?」 「誰もいないし、カバンもないし、ポケットの小銭を使って帰ってきました」 「きゅ、きゅ、給料袋は?」 「カバンの中です・・・」 
 こりゃー大変なことになりました。休日前、せっかく楽しかったであろう(覚えてないからね)飲み会の晩に、我々は最悪の事態に陥(おちい)ってしまいました。お互い同じ立場になってしまった我々は、協力しあってカバンを探すことにしました。
 よし、とりあえず現場に戻ろう、ということで、再び桐生の街中に戻りました。夜中近くになっていたので、残念ながら現場の寿司屋には、すでにヒトの気配はありません。近所に交番がありましたが、パトロール中のためか、そこにもヒトの気配がありませんでした。全く手掛かりナシのまま帰るのは悔しかったので、なんとか手掛かりをつかもうとしている我々に、ひとつの案が浮かびました。とはいってもごく普通の案ですけどね。
 「明日の朝にでも、同期のヤツ等に聞いてみませんか」 「電話番号は?」 「あ・・・。」 「ぢゃー学校に取りに行きましょう」 「こんな夜中に開いてないですよ」 「いや、宿直の用務員さんをたたき起こしましょう」 「・・・・・・」 「ね」 「・・・・・・」 「ね?」 「よーし、起こしちまいましょう」
 携帯電話や機械警備システムが、ほとんど普及していない頃の話です。我々は夜中に用務員さんを叩き起こして職員室に入り、名簿をコピーして持ち帰りました。今日はもう遅いのでとりあえず帰宅して、警察やら銀行やらへの届けは明日にしましょう、ということになりました。
 そして夜はふけていきました・・・・・・。ワオ〜ン。
 そういえば最近は夜中に犬の遠吠えを聞かねーなぁ。

 来週末に続く。
 良い週末3連休を。明日の入試体験のお手伝いのヒト、ありがとうございます。
 ぢゃな。 


人生にな、意味のないことなんてあらへん。ぼちぼちいったらええやん

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