133 11月24日

続々々々、撃沈君。 

 はい金曜日。なので先週末の続き完結編です。再びK察署に電話をかけた私でした・・・。

 「もしもし、あのー・・・」 「あ、サイトウさん?なくしたカバンっていうのは黒くて四角いカバンですか?いやね、たった今届いたカバンがあるんですよ。中には何が入ってます?」 「財布、給料袋、手帳・・・・・・」 「うーん。とりあえず来られますか?」 「あ、はい。すぐいきます!」
 警察署の扉を開けると、カウンターの上には口をあけた黒いカバンとその中身がズラーっと並べられていて、プチフリーマーケット状態です。そしてそれは正に私のカバンでした。確認のためか、私の給料を、一枚一枚数えている警官が声をかけてきました。
 「あ、サイトウさん?身分を証明するものとか印鑑はお持ちですか?」 「い、いや・・・。みーんなソコに入っているんですけど・・・」 「あ、そうか・・・、あっはっは。あ、そこにいる子供達が届けてくれたんですよ」
 振り向くと入り口脇のベンチに、小学生の女の子が3人、ちょこんと座っていました。
 「んーとね、早朝ドッヂボールの練習しに学校に行ったら、校庭にある大きな木の下にあったの」 「爆弾かもしれないけど、きっと誰か困ってるって思って持って来たの」
 女の子達の姿が天使に見えたのは言うまでもありません。中身を確認し、カバンを受け取った私は、彼女達の家を一軒一軒回り、親御さんと本人に丁寧にお礼を言いました。
 カバンは、私を始めとした周辺住民が、普段近道をするためによく通り抜けている小学校の校庭にあったのです。メデタシメデタシ。カバンは見つかりました!だだだだだーっと走ってOの家に行き、カバンが見つかったことを報告しました。
 が、しかし、何故かOはあまり喜んでくれていません。そして上目使いに私を見つめ、ヒトコトいいました。「私のカバンがまだ見つかってないじゃーないですか・・・・・・」しまった!自分のカバンが見つかった喜びで、Oのカバンのことなどすっかり忘れていました。犯人は私だというのに・・・。
 しかしここまでくると、Oのカバンは二次会の店にあるのでは、という予測がたちます。夕刻を待ち、店に電話を入れるとやはり預かっているとのこと、安心した我々はすぐに店に向かいました。
 「あ!大丈夫だったの?まったく。あんた店に入って来たら、すーぐいなくなったんで放っておいたんだけど、次の客に 『おーい、ママぁ。店の外にもんのすげーのが倒れているぞー!』 って言われたんで見に行くと大の字で寝ていたのよ。あんな大トラ(=大酔っ払いのこと)初めて見たわよ!」
 こっちだって記憶がないので、「ママを見たのは今日が初めてだわよ!」 と言い返そうとしましたが、再びトラになりそうなので、丁寧にお礼を言って帰りました。かくして、激動の2日間の幕が閉じていきました。それにしてもなんだかすっきりしません・・・。あの晩、足利に着いたであろう時間は夜8の時半、捕獲されて意識が戻った時間が10時半・・・。その間私はナニしてたんでしょ。誰か私の空白の2時間を教えてください。
 だってね、腕には傷があるし、足は捻挫(ねんざ)してたんだもん・・・・・・。

 それでは恒例の判明してしまった事実の整理をしてみましょう。したくないけど・・・。
 Fカバンは足利の街中にあった G私は大きな木の下でヒトヤスミしたらしい Hそしてカバンは置き去られていた I私は記憶のないまま2時間動いている間に傷を負っていた
 それ以来、飲みに行く時はカバンを持たないようにしている私です。ちょこっと成長。
 良い週末を。
 ぢゃな。


気ぃ合う人なんて、そうそうおらんって

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