135 11月28日

勉強はさ。 

 昨日はマラソン大会が中止となり、ヒジョーに残念でした。来年を心待ちにしましょう。さて、試験まで一週間を切りました。実は私には試験や勉強にまみれていた少年期がありました・・・。
 小学校も5年生になった頃でしょうか、部屋で遊んでいると、母親がやにわに(突然) 「あなたも中学受験するのよ」 と言ってきました。思わず手に持っていたミクロマン(小5にもなって遊んでるんじゃないって)を落とし、口をあんぐりと開けた少年斎藤がいました。
 中学受験なんてお坊ちゃまがするものです。豪邸に住んでいて、お手伝いさんがいて、晩御飯の時にはながーい食卓に家族が座り、右手にナイフ、そして左手に持ったフォークの背にご飯を乗せて食べるのが、お坊ちゃまの家庭です。団地住まいの斎藤家の次男坊の私がお坊ちゃまのハズありません。そんな私に 「お受験」 を強要してきました。
 都内で航空関係の出版社を経営する父親、横浜市内で書店を経営する母親、小さいながらも居間には熱帯魚も水槽、小学校時代にあまりにもデキが良かった兄は中学から私立通い、親の呼び方はパパとママ、自分の呼ばれ方はタクちゃん・・・・・・、幼いながらに、我が家はちょっとだけそういった環境にあることに気がついた少年斎藤がいました。なんと私はプチお坊ちゃまだったのです。
 「受験って、どこ受けるの」 「もちろんお兄ちゃんと同じ所よ、パパもママもそこの学校出ているんだから・・・」 「え、毎朝6時に家出て行かないといけないじゃん。やだよぉ」 「何言ってるの、高校も大学もエスカレーター式で進学できるのよ」 「ふーん、じゃ、受けるだけ受けるよ」 「そんな気持ちじゃ駄目よ、今のまんまじゃ受からないから、来週から塾に通うのよ」 「・・・・・・・・・」 
 今度は反対の手に持っていたアクロイヤー(わっかるかなぁー)まで落としてしまいました。
 月・水・金曜日には4駅離れた大手進学塾に通いました。そのうち算数が弱いということが発覚してしまったので、火・木曜日には算数専門の個人塾に通わされました。日曜日は模擬試験です。土曜日はもともと習字に通っていたので、これで一週間フルスケジュールの 「お受験お坊ちゃま」 の出来上がりです。
 ニンゲンってものは恐いもので、毎日塾に通っていた少年斎藤は 「俺はアタマがいいんだ」 と思い込んでしまったようです。通っていただけでアタマには何も入っていないのに・・・・・・。さらに両親が出た大学の付属中なんだし、兄キが通っているし、運は悪いほうではないし・・・という無茶苦茶な理屈をつけ足して、俺は合格決定だ、と決め付けていました。「余裕のよっちゃん」 とは、こういうテンションの時に発する言葉なのでしょう。
 そんなノリノリの勢いで受験に向かい、合格発表の日を迎えました。発表を見に行ってくれた父親から、「合格発表に受験番号はなかった」 との電話がありましたが、落胆するどころか 「きっとパパの見間違えだな。補欠で合格とかしているに違いない」 と騒ぐ始末です。プチお坊ちゃまどころか、これでは 「ばかお坊ちゃま」 です。
 数日後、ようやく自分の不合格を認識したばかお坊ちゃまは、地元の公立中学校に通う決心をしました。
 「どーせみんなばかなんだろうな、受験を経験した俺が一番アタマがいいに決まってるさ。仕方がないから通ってやるか・・・・・・」
 本当にばかお坊ちゃまです。誰か止めてくれー!
 ぢゃな。 


私、あんたのそーゆうとこ、すごい好きやけどなぁ

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