157 01月16日

紙ヒコウキ。 

 諸君のタメになるハナシを載せたかったのですが、なかなかタメになるハナシを書くヒマがありませんでした。ごめんなさい。それなのでもうここには何回か登場している、幼少の頃から高校2年まで私が住んでいた団地時代の話で勘弁してください。
 近所の棟に 「紙飛行機のおじさん」 が住んでいました。団地の中の広い場所で、自分で作った紙ひこうきを飛ばしているおじさんです。紙飛行機といっても、このおじさんの紙飛行機は、我々がよく作る折り紙式のモノではなくて、ケント紙(ちょっと厚手の白く丈夫な紙)で胴体や主翼を切り抜いて、接着剤を使い組み立てていく紙飛行機です。
 手で普通に飛ばしてももちろん飛びますが、パチンコのように、ゴムを利用したカタパルト(発射台)を使うと、驚くほどよく飛びます。数分間、大空を悠々と旋回しながら飛んでいる、滞空時間重視型のモノがあったり、何十メートルも遠くまで真っすぐに飛んでいく、飛距離重視型のモノがあったり、ブーメランのように必ず戻ってくるモノがあったり・・・・・・、
 「おじさんが紙飛行機を飛ばしているぞ」 という話を聞くと、必死になって近所を探して見にいったものでした。そして、おじさんの飛ばしている紙飛行機を見ている私は、ただただ 「すげー!」 という言葉をもらすだけ・・・。いやいや、私だけではなく、近所のガキんちょ共は皆そうでした。
 実はこのおじさん、二宮康明さんという工学博士です。今となっては(いや、当時からか)紙飛行機の世界では、世界的に一番有名なヒトなのです。当時は父が航空関係の仕事をしていたこともあって、付き合いがあったらしく、父にひっついて何度かご自宅に遊びに行った記憶もあります。その後、父がウチからも航空関係の仕事からも遠のいてしまったことと、我が家が引越してしまったこともあり、疎遠(そえん)になってしまい、現在に至ります。
 本屋に行けば、切り抜いて組み立てられる台紙がそのまま本になっているモノも売っているのですが、我々団地のガキんちょ達は、「紙ひこうきくださーい!」 とおじさんの家を訪ねて、いつも台紙をもらっていました。もちろん当時母親が営む本屋にもソレはありましたが、「もらえるモノはもらっちゃう」 というガキんちょの心境の方が先走りする私でした。
 「おじさんみたいに飛ばすんだー!」 と、もらった台紙を切り抜き、必死になって組み立てるのですが、どういうワケかおじさんのようには飛びません。当時は頭をかしげていましたが、今思えばそんなことは当然です。そんな何もしらないガキんちょが作っても、かなりの距離を飛んでいくこの紙ひこうきには結構はまっていましたっけ。
 青空を見上げていたら思い出したので、ちょいと書き記しておこうかな、と思っただけなのですが、書いているうちにまた作りたくなってきました。本屋に立ち寄ってみようかと思います。
 まだ団地にお住まいなのかなぁ。だったら行ってみましょうか。いや、40過ぎのアヤシイおじさんが 「紙ひこうきくださーい!」 なんて行ったら完全に怪しまれますね。
 そういえば19(ジューク)の人々ってどーしたんだろう。 
 ぢゃな。  


私はひとつの考えをあんたに言えるけど、決めるんはあんたやで。それはあんたにしかでけへんのやから、しっかりしぃー!

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