162 01月23日

やられちゃう映画。 

 はい、火曜日。
 10年前に映画 「タイタニック」 が公開された時、「タイタニックの映画なら 『レイズ・ザ・タイタニック』 というヤツを観たことがあるし、流行なんかに流されたくないし、ディカプリオってなんとなく好きぢゃないし、観てやるもんか!ふん!」 と、そっぽを向いていました。
 その数年後、奥さん(まだいた頃ね)がビデオを入手して 「観よう」、というので、付き合いで夜中に観なくてはいけないハメにおちいりました。観終わった後、プチっとうるうるしてしまい、もっと早く観ておけばよかった、と思いました。
 3年前の7月、テレビを観ていると、その 「タイタニック」 を放送していました。以前観たこともあるし、その前日に放送した前編も観ていないし、「ふん!観ないもんね」 というモードだったのですが、他に面白い番組が見当たらず、ナニ気に観てしまいました。そしたら前回観た時以上に泣いちまってやんの。
 身分の全く違うローズとジャックが、豪華客船タイタニック号の中で次第に惹(ひ)かれあっていくこの映画、かなりのヒトが、「いい映画だよ」 と思っていると思います。そしてそれぞれ、やられちゃう場面も違うことでしょう。「この映画のここがいいんだ!」 ってヤツです。
 前フリが長くなってしまいましたが、今日は 「この映画のここがいいんだ!タイタニック編」 でもオハナシします。沈む場面かどこの場面かははっきり覚えていません(いい加減だなぁ)が、映画のどこかで、「絶対に生きろ、子供を生めよ・・・、馬にも乗るんだぞ・・・」 など、ジャックがローズにいくつかの約束をします。その約束を受けて私がやられちゃうシーンは・・・・・・。
 ラストシーンでなのす。とはいっても、タイタニックが沈んでしまうシーンでもなく、ジャックが海の中に沈んでゆくシーンでもなく、年老いたローズが船の先っちょで例のポーズをするシーンでもなく、ずーっと持ち続けていた宝石を海にそーっと落とすシーンでもありません。
 年老いたローズが甲板から海の中に例のモノを落としたという回想の後、ベッドの中で目を閉じるシーンがあります。ローズの枕元には、いつも持ち歩いている何枚かの写真が飾られています。その写真の中には、ジャックと交わした約束をきちんと果たして、100歳を超える人生を歩んできた、若かりし日のローズが写っています。ほんの数秒間のシーンです。
 約束通り自由に生き、結婚し、子供を産んで、飛行機を操縦し、そして馬にまたがり・・・・・・。ジャックと出会ったおかげで、その後の長い人生を充実させることができた証(あかし)です。愛を貫き通したんだな、ローズお婆ちゃん素敵だな、と感動してしまうのでした。ちなみに私が一番やられちゃうのは、馬に乗った写真が映るその一瞬です。
 涙腺がユルんできたのは歳とった証拠か。
 ぢゃな。 


やめることはいつでもできるで。もっかい一歩踏み出してみるんや

BACK