012 04月25日

島国日本。 

 週の真ん中水曜日、きっと気がつけば金曜日になっているはずです。すっかり桜の花びらも散って、葉桜満開(葉っぱなので満開は適切ではないかな)といった感じですが、本州最北端の青森県ではようやく桜が満開になったそうです。その一方、沖縄では梅雨入りの気配がチラホラと感じられると、先日テレビで報道していました。そんな日本列島の、統一地方選挙にからんだ文章です。


 先頃、初夏の陽気の東京から北海道に出かけた時のことだ。出発前の空港で 「到着地は雪、天候次第で引き返します」 と放送があった。横にいたご婦人がつぶやいた。「いやねえ、同じ日本なのに。縦に長いからいけないのよ。横に長けりゃいいのにね」
気持ちは分かるが、国土が南北に長いおかげで、同じ頃に異なる季節感を楽しめもする。いわば、時間差のある四季だ。逆に東西にうんと長ければ、米国のように国内に時差ができ、やっぱり 「いやねえ」 になるかもしれない。
 国土の形状は、そこで生まれ育った人の考え方にも影響する。たとえば、島国かどうかは国民性を決定づける大きな要素といえる。政府の世論調査(75年)で 「30年後の日本」 を聞いたところ、日本人の10の特性のうち、「島国根性」 は 「義理人情」 「勤勉性」 に次いで 「変わらないもの」 の3位だった。
 32年後の日本社会では 「愛国」 のメッセージが定席を得た。自信を持てと叱咤(しった)し、廃(すた)れゆく義理人情や勤勉性を嘆(なげ)くのはいいが、周辺への敵意をあおるばかりの、粗雑で乱暴な言辞(げんじ=意見した言葉)も多い。
 島国には、大海に漕(こ)ぎ出す進取(しんしゅ=新しいことをすること)の気性も根づきうる。一方で、水平線の先に思いが至らねば、自分の都合とモノサシだけで考えやすい。異なる民族や文化には尊大になるか、妙に卑屈(ひくつ)になりがちだ。
 心の中の 「島」 が大きすぎると、海外旅行のたびに 「やだねえ、同じ地球なのに」 とぼやくことになる。祖国への誇りや愛情は国際人たる必要条件だが、そういうものは、ほどよく、賢(かしこ)く持ちたい。(2007年04月23日朝日新聞「天声人語」)


 ちょっと難しかったかな・・・。約30年前、1975年といえば私は10歳、小学校4年生でした。年賀状に 「1975・・・」 なんて書いていたのを覚えています。今から30年後の日本はどうなっていますかね。諸君は48歳、私は・・・、72歳!ひゃーつ。
 ぢゃな。 


やってみなくちゃ、失敗もできないんだよ

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