063 07月10日

夢へ。 

 はい、火曜日です。世の中にはいろいろなヒトがいるものです。まずは読んでみてください。
 

 「夢に挑戦したい」 「好きなことをやり遂げたい」。子どものころは当たり前のように思っていた。年齢を重ねるに連れ、その思いを心の片隅に追いやっている。人生において、そんなことがないだろうか。
 坂本武さんはどうやらその思いを心の真ん中に置き直した。東大法学部卒で旧建設省に入り、道路資金企画室長や中部地方整備局の総務部長とキャリアを重ね、出向先の農林水産省では農村政策課長になった。誰もが 「上」 を目指すのだろうと思っていたが、先月、四十九歳で役者への転身を果たした。
 役者の経験は高校時代の文化祭での一回だけで、ないに等しい。でもそのときの興奮、感動が心の奥底に残っていた。管理職の道をこのまま歩むのか、それとも別の楽しい道がないのか、迷いだしたときに思い付いたのが役者の道だった。
 昨年秋から半年間ほど芸能事務所などを回り、映画監督で演出家の望月六郎さんが主宰する劇団のオーディションに合格した。若者にはないオーラがあったと聞く。家族の理解も得て間もなく、早坂実の芸名で初舞台を踏む。主人公の女性に横恋慕する役だという。
 役人から政治家や学者、起業家を目指す人は少なくないが、まったく縁のない世界への転身は聞いたことがない。厳しい世界だけに前途洋々とは言えないかもしれないが、「やれるだけのことを精いっぱいやろう」 と決めている。挑戦者の心構えなのだろう。
 『論語』 には 「十有五にして学に志す」 とあるが、四十九にして、いや幾つになっても何かに志す人は生き生きしている。
(2007年07月09日 中日新聞「中日春秋」)


 驚きました。49歳で、夢に向かっての転身です。この坂本さんの写真を拝見したのですが、49歳とは思えない程若々しく、凛(りん=きりっと引き締しまっている様子)としている方でした。まさに 「挑戦者」 そのものです。
 私は、「人生120年、まだまだ3分の1を過ぎたばかり・・・」 なんてことを良く言っていますが、こうして人生を楽しんで過ごしているヒトに出会うと、パワーをもらっているようで嬉しくなりますね。いや、確実にパワーをもらっています。
 諸君は私以上に未来があります。どんな人生を過ごしていくのでしょうか。なんだか楽しみです。
 試験最終日、もっともっともっと行け。
 ぢゃな。 


人生に無駄な出会いなんてない

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