101 10月16日

ボランティア講座体験記。

 ボランティアとは無料奉仕。この言葉を念頭に置き「青少年ボランティア養成講座」に、第1回2回と参加した。共に一泊二日で実習内容も濃く厳しい生活だった。開校式の時、「この講座は厳しい。帰りたい人は今すぐ帰ってもらって結構です」と言われたくらいだ。
 参加者は中学一年生から高校三年生まで。一番年上である私達高校三年生は自然と頼られる存在となる。他の学校の人達と集団生活をするのは初めての経験で、皆最初はとまどっていたが、情報交換をするなど、次第に仲良くなっていった。
 この講座の実習で一番印象に残ったというか考えさせられたのは、車椅子、ブラインドウォーク、点字、手話の体験だった。まず日本にはバリアフリーが少ないのではないかと思った。老人の方や障害を持った方達にとっては決して住みやすい環境ではないはずだ。近所の交差点のブロックはボロボロにはがれてしまっている・・・・・・ブラインドウォーク実習の時、私はなかなか一歩を踏み出せなかったのだ。目隠しをした瞬間、方向感覚を失い孤独感でいっぱいになった。頼れるのは自分の耳から聞こえる音と友達の支えだったが、それでもやはり階段の上り下りは怖いし、ひとりで交差点渡るなんて考えられない。
 結局私達は自分のことしか考えていなかったのだ。人の痛みをわかろうとする人は何人いるのだろうか??人のためにできることはたくさんある。それがボランティアだ。
 私が手話サークルに通い始めてから半年が経った。こんな高校生を受け入れてくれるだろうかと心配だったが、優しく迎えてくれたことを感謝している。このサークルにはろうあ者の先生が教えに来てくれるのだが、最初は先生と目を合わせることができなかった。どう接すればよいのかわからなかったのだ。しかし今では挨拶を交わせるようになったし、簡単な会話ならできるようになった。幅広い年代の人達と交流をもてることはすごく嬉しいし、勉強になることが多い。これからもこのサークルを通してたくさんの人と出会いたい。そして通い始めてから思ったことは、私達はもっと障害を持った人達との交流を持ち、理解しなくてはいけないということだ。まずは障害を持つ人と持たない人との心の壁をなくすことが必要だと思う。
 今回の講座で足の不自由な方の講和があった。「自分は特別な人ではない。自分を不幸だと思ったことはない」と言った。その話し方は明るく生き生きとしていた。しかし言われてみれば当然のことだ。私達は同じ人間、ただ日常生活の中で不便なことがあるだけなのかもしれない・・・・・・その不便さをなくしてあげることができるのは私達だ。
 これからの日本は高齢化社会になるだろう、老人の方や障害を持った方達が安全で楽しく生活できる社会になることを私は願っている。そして自分もできる限りのことは手伝いたい。
 今回この講座で「ボランティア」について多少の知識を覚えることができた。この経験を生かしてボランティア活動に積極的に参加したいと思う。人の痛みをわかる人が増えれば争いもなくなるだろうし、もっと住みやすい環境になるはずだ。このことを多くの人に気づいてもらいたいし、伝えていきたいと思う。

 福祉関連の学校に進学の決まった○○さんの体験記です。素晴らしい心がけです。応援しちゃいます。 


まがいもんは、ほんまもんにはかなわんのよ

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