102 10月17日

後輩K。 

 大学の時の仲間と一緒に,渋谷で飲んだのです。正直に言えば,その前に地元で既に飲んでいました。渋谷の居酒屋で仲間と合流し,その後カラオケ屋に行きました。ここでもまあだいぶ飲んだかもしれません。お勘定をしたら,六人でしたが四万円を超えていました。深夜の二時か三時頃でしたか,四人とは別れて残り二人でバーに入ってまた飲みました。途中でタンメンを食べたりもしました。そのうち,始発の電車が動き出す様な時間になったので二人とも山手線に乗りました。一人は池袋で下り,私は西日暮里で下ります。そして千代田線に乗ります。千代田線に乗り,座席におさまった私は,疲れと酔いとで完全に眠ってしまった様です。駅員に起こされ,気がついた所は,あろうことか本厚木だったのです。
 何を言っているのかと申せば,西日暮里から私が下りるべき駅を通り越して,おそらく我孫子か取手まで行き,そのまま折り返して戻って,これがまた運悪く小田急線乗り入れの電車で,本厚木まで行ってしまったと言う訳なのです。起こされた私は,身の回りのものを確認しました。カバンはありました。中には大事なナイフのデザイン画が入っていたので,酔いつつもタスキに掛けてしっかり持っていました。ところがおしりのポケットの財布が無い。
 実は私はこういうことにはもうすれっからしになっていて,飲みすぎた自分が悪い,とすぐに諦めてしまうのです。帰りの電車でもすっかり寝てしまいました。
 この日は日曜日だったので翌日,カード会社に連絡しました財布の中にクレジットカードが何枚か入っていたのです。いやはや驚きました。内二枚のカードの最終利用が日曜日の朝八時過ぎにあり,合わせて二十五万円ほど,買い物をしていると言うのです。
 電車の中でカードは使えないのですがねえ。カード会社の話では,これは完全にスリの手口だそうです。何しろあざやかなものです。私はいいカモだった訳です。
 損害については,保険が下りるのだそうです。迷惑なことをしてしまいました。まあ私も被害者なんですけれども。財布の中には免許証も入っていたので,これもまた作らなければなりません。試験場で再交付の申請をしている途中で,一寸来い,と中に呼ばれてしまいました。何かと思っていたら,顔が違うと言うのです。そんなこと言われても困ります。他にも過去の違反について細かい質問をされたり,実際,ひどい目に遭いました。
 私の様に,とことん飲んでしまう人は,十分気を付けましょう。財布はカバンに入れて,抱えているほうが安全かもしれません。
 乾杯。

 どあー!やっちまいました。深夜の・・・というか明け方の四時です。後輩Kさんの原稿を無断借用しちゃいます。でもおもしろいでしょ。


ええか、あんたら強くなりや。体やなくて心をやで

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