116 11月08日

再び後輩K。(私のコトではありません)

 このホームページは1999年11月15日にスタートした訳ですが,かなり見切発進と言いますか,体裁の整わぬままに始めてしまった所があります。それなので,ページに載せる材料を必死になって集めている所なのです。で,先日もせっせとナイフを作っていました。焼き入れも終わり,ヒルト(指掛けの所)のロウ付けも終わり,ハンドル材を接着し,ボルトの穴をボール盤で空けていた時です。突如として材料にドリルの刃が食い込みました。おことわりしておきますが,ここから先は気の弱い人は読まないで下さい。
 この時私は,素手で材料を固定していました。危ないと思われるかもしれませんが,材料の熱を感じるには素手がいいのです。手袋を着けると手袋が巻き込まれる危険もあります。それにしてもバイスに噛ませてなかったのは無謀と言う他ありません。ドリルが材料を切削しきれなくなり,材料自体を回し始めた力は,私の力をはるかに上回っていました。あっ,もありませんでした。激しく回転するナイフに,私の手のひらは無慚にも切り裂かれていました。傷は深く,開いた口から脂肪層の黄色いつぶつぶが見え,温泉の様に血が沸き出ていました。
 これはいかん,バンソーコーでは治らん,と思い,どうするか考えました。とにかく傷を縫合するしかないだろうと結論づけ,傷口を押さえながら針と糸を探しました。職場には所謂お裁縫道具はありませんが,釣り道具は売るほどあります。フライフィッシング用の針と黒鯛用のハリスをひっぱり出しました。そこで縫い始めたのですが,フライフックの針の目が大きすぎてうまく通りません。それなら針の目をペンチで潰せばいいのではないかと思い,そうしたのですが意外にもろくて折れてしまうのです。仕方が無いのでそのまま縫い始めました。ところが一針目はいいのですが,二針目にかかると一針目の縫い目がちぎれてしまうのです。何度かやってみましたが,激痛が走るだけでうまく行きません。
 病院に行く決心をしました(最初からそうすればいいのだ)。車で家に戻り,健康保険証を持って近くの救急病院に行きました。局部麻酔をされ,傷口をきれいにするのですが,何しろ機械作業をしていたので手は油まみれで大変汚い訳です。傷口を広げられ,消毒液の染込んだガーゼでごしごし拭かれるのですが,とても見ていられる光景ではありません。結局二十針縫いました。大迫力です。
 それはいいのですが,お医者さんは怪我人を診察する際に,どういう経緯で怪我に至ったか,場合によれば警察も介入して来ることなので,細かく聞いて来ます。この縫ってくれた先生も,翌日ガーゼを取り替えた時に診てくれた先生も,私の傷を,どうやら刀創と勘違いしていたらしく,かなりしつこく事情を聞いてきました。疑いの目と言うのはああいう目なんでしょうね。切られたならそう言いますよ,私は。善良な一市民なんですから。
 私が言いたいのは,人を見かけで判断してはいけないということです。そんな訳で,ナイフのページの更新が,一寸遅れてしまうのが残念です。その分,この文章が出来たからいいのかな。

 ま、また例の後輩のつれづれ文を紹介させてもらいました。ちょと刺激的でしょ・・・・・・て、手を抜いたワケではないのです。眠くて仕方がないのです・・・そりゃー手抜きだって?


こわがったらアカン、ぶつかっていくねん。なんかあったらゆうてよ。私が助けたる

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