138 12月13日

受験生S。

 今日は思い出バナシです。
 18年前、私も諸君と同じ高校3年生でした。大学に進学希望を持っているくせに、学校の勉強をしていなかった私は、「俺は推薦なんて甘っちょろいコトしないんだ。試験一発勝負だから学校の勉強なんてやってらんねーや」 なんて豪語してました。実は、「やってらんねー」 のではなくて、「できなかった」 のです・・・・・・だって教科書難しいんだもん・・・・・・数学0点取っちゃうし・・・
 それでも大学に進学希望を持っていた私は、2月の入試目指して勉強するしかありませんでした。ですから年末のウキウキムードなんてありません、とにかく勉強です。通常では1週間に2日程、代○木ゼミナールという予備校に通っていました。そして冬休みともなると、冬期講習会です。とにかくお金がかかるので、サンチェーン(ローソンの前身みたいなトコロ)というコンビニエンスストアでアルバイトもしていました。(スタート時給は420円!)そこでもらった給料も、講習会の受講料として消えていくのです。ですから、そんな私には年末はありません。これからが大事な時期でしたから。
 大晦日は、「レコード大賞」 「紅白歌合戦」 「年越しライブ浅草国際劇場」 「サザンオールスターズカウントダウンライブ」 「行く年来る年(民放版)」 「大晦日だよドラえもん」・・・それでもって年が明けてからは 「お笑いヒットパレード」 「東西かくし芸大会」 「12時間ドラマ」 「お正月だよドラえもん」・・・・・・
 「我々受験生の正月は4月1日だー!」 なんてのが合言葉みたいなモノだったので、こういった12月末から1月アタマにかけてのテレビ番組は、合格を勝ち取った後の3月末から4月アタマにかけてビデオ再生して観るのです。そういえば年越し講習会なんてモノもありましたっけ。アタマの中はまさに受験一色でした。あ、我が家にはビデオデッキなんて高価なモノはなかったので、実際には出来ませんでした。意気込はあったのですがね・・・。
 寒風吹きすさぶ中、制服の上にブルーのMA-1を着込み、マフラーぐるぐる巻きの受験生斎藤がいました。毎月のように模擬試験を受けても合格率はあがりません。「志望校の変更が必要です」 というメッセージを何度書かれたことでしょう。何故だかわかりませんが、両親も兄も学○院なんて大学を卒業してしまっていた我が家には、当然私にも同じトコロに進学するようにという、無言のプレッシャーが存在していました。
 「そうだ、家族が卒業したのだからきっと受かるだろうな・・・」 なんて何の根拠もない家族割引で自分を安心させていた受験生斎藤に、試験の日が次第に近づいて行きます・・・・・・ 
 県内最低ランクの高校で評定平均2.6しかない私に、大学が合格証書を出すわけもなく、見事にあたって砕け散ってしまいました。
 その時の感想、「あ〜、身分証明するモノがなくなってしまった・・・」 まさにあっちブラブラ、こっちブラブラな浪人生の誕生でした。
 寒い中、更に寒くなるようなハナシですね・・・
 さぶっ。


そのまんまでええやん

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