147 01月10日

ゴウキュウ飼育いいんちょー。

 えー、昨年文鳥を飼いはじめたというハナシをしましたが、その文鳥にまつわるハナシをひとつ。
 大晦日まであと数日となった年末のある朝、いつものように 「おーい、おはよう。起きているかー、ちゅんちゅん!」 と声をかけようと鳥かごを覗いたら、巣の中でふんぞり返って足を投げ出して寝ている彼がいました。「オイ、オーイ!」 と声をかけても不思議な寝ぞうのまま起きてくれません。
 まずい!と、とっさに巣から彼を出しました。多少足が弱い彼を動物病院に連れていった時に、センセイが 「鳥は寒さが苦手なので、常に温めてあげてください」 と言っていたのを思いだし、彼をとにかく温めようと手のひらの中に包みこみ、ストーブの前で温めていました。カラダがほぼ固まってきている中、時たま呼吸をしてはビクンとさせています。
 もう駄目かもしれない・・・と思いながらも、いや、まだまだだー!と、とにかく温め続けました。出勤時間は近づいてきます。しかし彼を放っておくわけにいきません。片手に彼を握ったままスーツを着て出勤準備をしました。伸ばしきっていた足が元に戻ってきました。
 えーい、このまま連れていっちゃえ!ということで車に乗り、握った手のひらをヒーターの前から片時もずらさないまま職場に向かいました。手のひらに彼を抱いたまま職員室に行き、普段はほとんど座らないヒーターの前の席で、温め続けました。すると意識がはっきりしてきたのでしょうか。なんとか立ち上がろうと、必死で足を動かし始めました。
 えーい、病院に連れていってしまおう!と、再び車に乗って温め続けていると、「ちゅん!」 と鳴いてちょこんと指の上にとまりました。立ち上がれたのです。「うおーっ!」 と思わず声を出してしまいました。手のひらの上で多少ふらふらしていますが、ほぼ普段と同じ彼がいます。狭い車内を飛び回ろうとさえしています。車内に差し込む太陽の日差しを、目を細めて楽しんでいる彼の姿を見て、心底 「温めてよかった・・・」 と思いました。カワイイナァ、オイ・・・・・・です。
 行き先を自宅に変更し、「まだ心配だから、とにかくよーく温めてあげて」 という言葉を残して職場に戻る私・・・・・・
 鼻歌まじりで運転している中、自宅からかかって来た電話の内容は 「死んじゃったよ・・・」 でした。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 ほとんど動かない状態から1時間以上も手のひらで温めて、徐々に元気になっていった彼の姿がアタマから離れないまま、その日は仕事をこなしていました。
 なんだかとても不思議な感じがします。
 今になってもなにがなんだかよくわかりません。
 さすがに家に帰って彼を握りしめた時には、ナミダがどどどーっと出てきてしまいました。泣き虫で悪かったな!


夢があるゆうんはええことやん!はっきりゆうてうらやましいわ!

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