25 05月18日

こりゃいかん、蕎麦が危ない。

 私の好物のひとつに蕎麦(そば)というモノがあります。ソレも天ぷらや油揚げがのっかったようなモノではなく、ごくフツーの蕎麦。そう、諸君が二年前の嬬恋生活実習で、蕎麦打ち体験して食べたような蕎麦が好きなのです。ざるに乗った蕎麦を箸でつまみ、蕎麦ツユをつけて食べる・・・シアワセってなものです。
 そんな私にとって気にかかる文章が、昨日の朝日新聞「天声人語」に載っていたので、紹介します。

    先日、昼食にそば屋へ行って驚いた。しーんとしている。あわててまわりを見た。客
   はいる。どういうわけかほとんど若い女性だった。
    ちゃんとそばを食べていた。音をたてないで、するするもぐもぐ食べていた。こちらも、
   ひとり勢いよくすする気が失(う)せた。もぐもぐとはいかないが、遠慮がちにずるずるや
   った。友人からは、後日、こんな笑い話を聞いた。
    あの「ずるずる」はたいていの欧米人が苦手とする。しかし日本文化に溶け込もうとし
   たAくんが何とか音を出せるようになった。街のそば屋で実演を試みた。勉強の成果を
   精いっぱいに発揮した。そして満足げにまわりを見るとどうも様子がおかしい。「するす
   る」女性が多かったのだろう。彼を見る目は、称賛の目からは遠かった、と。
    いろいろ聞いてみると、実際、若い世代はあまり音をたてなくなっているらしい。女性
   にその傾向がとくに強いようだ。若い女性数人から「友だちの半数以上は音をたてない
   かな」とも聞いた。
    そばは、落語では欠かせない題材で、そばをすするのは、大事な動作だ。もちろん、
   そばなしで、音だけずずずーっとやる。うまいもんだ、といつも思う。しかし、これにもひ
   ょっとしたら、将来は解説が必要になるのか、と心配になる。
    こんな短歌があった。〈立食ひのまはりはうどん啜るおと蕎麦すするおと差異のさぶ
   しさ〉(小池光)。現代サラリーマン諸氏の「寂しい」食事風景だろう。でも「差異のさぶ
   しさ」どころか、そのうち「おとなき寂しさ」になってしまうかもしれない。(2001.5.17)

 わかりますか?蕎麦は「ずるずるずるずるぅ〜〜〜〜」っと音をたてて食べないと旨くないのです。今週はずーっと「朝の10分間読書」という形でいこうと思っていたのですが、このコラムを読んで、いてもたってもいられなくなりました。こっちの方が大事です。ああ、名草の蕎麦が食べたくなってしまいました。
 このままいくと、蕎麦の食べ方が変ってしまう・・・・・・。ある意味危機感を感じた私でしたっつーの。
 たまにゃこんなのもいいでしょ。あ、明日就職模試受けるヒト、頑張ってくれよな。


まわりの人に、その存在と行為に、感謝を示そう。感謝してこそ、人生は豊かになる。

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