70 07月17日

このヒトに出会って。(後輩I塚さん)

 私のホームページに、毎回テーマを絞って皆様から原稿を募っているコンテンツがあります。先日、そこに大学生I塚さんから、是非諸君に読んでもらいたいような寄稿がありましたので紹介します。
 ちなみにI塚さんは、大学のJAZZ研の後輩で現在3年生のトランペット吹き、しかも部長。そりゃーいい男です。私の後輩ですもの。
 

 大学の授業で先生に障害児について質問しに行ったのがきっかけでした。
 偶然そのとき、障害者の人(44歳)がきていて、彼と話をしました。当事者の話はかなりリアルで重く説得力のある話で、今まで自分がまったく知らなかった、いや、知ろうとしなかったのかもしれないはなしばかりで、度肝を抜かれました。最後に彼は言いました。「あした飲みに行こう」と・・・
 ホテルのレストランで飲んでいると、昨日の重い話とは違う、ふっつーの人間でした。酒はがんがん飲むは、んでもって強いは、女好きだは、今までの障害者のイメージが180度変えられてしまいました。すごく楽しい人たちなんだなって。何にも変わらないんだって。
 いろんなところで、「障害者」と「健常者」は区別というか離されていて例えば、養護学校だったり、特殊学級だったり、バリアフリーも便利ではあるけれど、「障害者」とのふれあいみたいなものがなくなってしまう危険性もあります。
 まあ、この話は受け売りですけど、本当にお互いが理解しあう機会が少なくなっていてしまいます。そんな中、障害者の人とであって、上のようなことを考えさせられ、うまいウイスキーさんと料理にも興奮していたこともあってか僕は、泣いていました。うれし泣きです。これでもかっていう位泣いていました。
 人との「別れ」で泣くことは良く聞きますが、人との「出会い」で泣いたことは今まで経験したことの無いものでした。もしかしたら、もう無いかもしれません。
 そのせいでまた、どっぷり飲んでしまい記憶がぶっ飛んでしまい、その後のことは良く覚えていません。(それからまた大変なことがいろいろあったのですが長くなるので・・・)結局、酒はいいよなってことで。
 うそです。
 今でもその人とはたまに会っては酒を飲んでつぶされています。おしまい。


 一口に「障害」といっても、その種別は様々です。肢体不自由、盲、聾、病弱、知的・・・・・・。I塚さんのお会いになった方がどのような障害をお持ちなのかはわかりませんが、大事なのは、障害を持った人達に対して、我々の心のどこかにある、分け隔てを無くしていくことではないでしょうか。全ての人達がそういう考えを持っているとは思いませんが、恥ずかしながら私はそんな人間のひとりでした。
 しかしながら、障害者手帳を持っている母親と暮らし、ダウン症の甥っ子が小学校4年になっているという状況の中で、私のそういった恥ずかしい考えは無くなっていきました。なぜって、母親も甥っ子もフツーのヒトなのですから。甥っ子なんて普通以上にピュアかもしれません。たまに遊びに行く私の顔見て喜ぶ彼の笑顔は最高です。
 我々が当たり前のよう過ごしている日常生活でも、障害を持つ人には当たり前に過ごせない場面があります。当然そんな場面では手を差し伸べてあげるべきなのですが、もし、変に気を遣ってしまったり、色眼鏡で見てしまったりと、無意識にでも、昔の私の考えを持っているようなヒトがいたとしたら、その考えを変えていけるのではないかな、と思い紹介させてもらいました。
 障害を持つ方が全て↑のような人だとは限りませんが、I塚さんは、素晴らしい友人を得たのではないかと思います。貴重な御意見どうもありがとうございました。
 こりゃー納会や合宿で、とことん呑んでもらいましょう、とI塚さんにロックオンした先輩斎藤でした。


起こっている事実に、もっと目を向けなさい。他人があなたをどう見ているかではなくて。

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