ZP03 07月25日

それからそれから。(レギュポジ68の続きだね)

 実はMさんと私は高校3年間で同じクラスになったことはありませんでした。『同じクラスのヒトとつきあう』といったことに密かにあこがれていたのですが、結局そんなことなく私の学生時代は終わったような気がします。ちなみに、『同じ職場のヒトとつきあう』ということはその後経験することになります。意味深な内線電話、すれ違いざまのアイコンタクト、地元から離れたデート・・・・・・。職場には内緒の恋愛でしたからそりゃーもう毎日がどきどきでした・・・・・・・あ、ハナシがそれました。つづきはまたそのうちに。
 1年生のある日、当時大好きだった『子供ばんど』のライブが池袋であるという情報を得ました。金なし暇ありの高校生にとって、無料ライブほどありがたいことはありません。ただし学校のため間に合いません。そこで彼女と相談・・・・・・。
 「行きたいなー」 「○○ちゃんも行くってさー」 「休んじゃうか」 「えー、田中先生に悪いよ」 「なんだよ、俺の担任だぞ」 「だっていい先生じゃん」 「そうだよな」 「そうでしょ」 「・・・・・・・・」 「・・・・・・・」 「あっ!」 「なに?」 「わからないように早退しちゃえ」 「そーしよー!」
 というわけで、お昼頃に私達は学校を抜け出しました。実は初めてのバックレ・・・・・・。結構ウシロガミ引かれ引かれ状態だったのですが、電車に乗ってしまえばそんな気持ちはどこへやら。池袋ヤマハ楽器へGO!です。
 観ました!燃えました!最高でした!疲れました!シアワセでした!・・・・・・帰宅ラッシュの電車内で、もまれながらの私達。
 「抜け出したのばれなかったかな」 「ばれないわけないじゃん」 「なんでー?」 「フツーに考えればわかるでしょ」 「あー、田中先生怒ってるかな」 「怒ってるわよ」 「ぶたれるかな」 「ぶたれるわよ」 「いたいかな」 「いたいわよ」 「なんだよ、人ごとみたいに」 「人ごとだもん」 「おまえの担任は?」 「私明日休んじゃうもん」 「なんだよそれ」 「いーじゃないの」 「やだよう」 「じゃいってあげる」 「わーい」 「・・・・・・」 「なんだか田中先生をだましちゃったみたいだな」 「だましたんでしょーに!」
 翌日、朝一番で二人して田中先生のところ(何故二人してなのか、彼女の担任の立場は・・・)に行き、黙って帰ってしまったことを謝りました。 「おまえらな、悪いことをするような付き合い方じゃだめだろ。もっといい付き合い方しろよ。いいよ、正直に来たのだから、今回は何も言わない・・・・・・」 高校生活の中で心に残っている出来事のひとつでした。
 学校の近くで夜遊びをしてから帰る時、真っ赤な顔をして酔っ払っている先生をよく見かけました。こちらも酔っ払っているので(!)、そそそ〜っと退散するのですが、今思うと飲みたくなる原因を作っていたのは、我々だったかもしれません。
 単なる偶然なのですが、後に私は先生と同じ大学、同じ学部に進むことになります。そして中学教師を経て高校教師になりました。中学と高校の国語は勝手が違うだろうと、鳴門教育大学で長期研修を終えた田中先生を訪ね、研究論文やアドバイスをいただきました。その時にこの人の本を読みなさい、と教えていただいた「大村はま」さんという大先生のお言葉なんて、私の教職観の中心になっています。現在も田中先生は、神奈川県の国語教育関連でバリバリやっていらっしゃると思います。・・・・・・と思ってネットで名前を検索させてもらったら目茶苦茶出てきました。凄い!
 それから連絡をとっていません。なんて失礼なヤツなのでしょう。久々に連絡をとってみようと思っちゃいました。
 諸君もほったらかしにしたまんまの先生、いませんか?


まわりにあるものとの距離感を大切にしなさい。それが、意識を徐々に研ぎ澄ましてくれる。

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