ZP04 07月28日

ひまちゃん、ぷりっぷり。

 夏です。ようやく三者面談もひと段落しました。就職組の諸君には、これからお盆までの間にいくつか企業見学をしてもらい、最終的に受験する企業を決めてもらいます。企業からの求人数を大幅に上回る就職希望者数を抱えている本校としては、はっきりいって「駄目でもともと、就職できりゃ儲けモノ」といったスタンスで望まなければなりません。なんだかゲームみたいです。ひと昔前はこんなことはなかったのに、諸君はツイていない時に職探しというコトになってしまいました。 ちょっと同情。でも他人事・・・。無責任な私。
 そんな面談を行っていた教室のベランダで「ひまちゃん」はスクスクと育っています。今では葉っぱの直径が20センチ位、茎の高さは5センチ位といったところでしょうか。巷(ちまた)で人気の「ハッパ隊」での使用にも充分に耐えられる程に成長しました。まさに目に見える成長っぷりです。ヤツラただモノではないようです。そしてついさっき、その向日葵の苗を分けてくれたヒトのところに用があって行ってきました。帰りぎわ、そこの片隅に頂いた向日葵(ひまわり)の残りの苗を発見・・・・・・、驚きました。何故かって?育ちっぷりが全然違うからです。 
 苗は直径5センチほどの小さな黒いカップの中に植えられています。ウチの「ひまちゃん」は諸君も知っているように、学校内のとあるところから拝借してきたプランターに植えられています。たったそれだけの違いなのです。それだけなのに育ちッぷりに天と地ほどの違いがあるのです。分けてくれたヒトが言いました「うちは畑にも植えたけども、もうかなり大きくなっちゃいましたよ、驚きだよねー。育つ場所でこんなに違っちゃうんだもん。人間だって一緒だよ。ね、先生・・・・・・」おそらくそのヒトの畑の向日葵はウチの「ひまちゃん」よりも大きく育っているものと思われます。いや、そうに違いありません。
 そうは思いたくないのですが、私は少なからず「ヒトを育てる」という仕事に携(たずさ)わっています。言い方を変えれば、諸君は私に育てられているということでしょうか。え”ー、なんだか不思議です。私にはそんな意識なんてありません。諸君にだって「おまえなんかに育てられてたまるかー」という意識があるでしょ。けれども、平常時であれば、一日のうち6時間は学校に来ているわけですから、一日の4分の1は私が諸君を育てさせてもらっているという解釈もできます。
 そんな立場にいるかもしれない私は畑になろうと思いました。あの向日葵の育ちっぷりの「差」を目(ま)の当たりにしてしまった今は、そう意識せずにはいられません。小さなカップの中で育った苗と広い畑で育った苗の差は歴然(れきぜん)としています。
 畑は広くて深いです。その土の中には様々な栄養分が入り混じっています。必要だと思われるモノをぐんぐんと吸収し、苗はどかーんと育っていったのです。諸君にとって様々な栄養分にあたるモノを、諸君の残りの高校生活の中でどれだけ提供できるかわかりませんが、私は畑になろうと思いました。
 なーんて一見格好のよいコト書いていますが、要はこの「夏ポジ」を始めとしたPositiveそして普段のハナシも含めて、更にくだらないハナシを諸君に押し付けていこう、という自己正当化だったりします。
 「今日の内容は必要な栄養分にあたらないからいーらないっ」なんていう日もあるでしょう。私にとってはあって当然、なきゃ儲けモノです。
 「ひまちゃん」のようにいきましょー。


今日は親しみの込もったあいさつをしよう。みんな友達になった気分で。

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